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骨盤のズレは、レントゲンで分かるのか?

これも最近の症例です。 雨の日にマンホールで足を滑らせ、右臀部をしたたかに打った方が来ました。 私の施術まで間があったのと、とりあず、打ち身が激しい間に西洋医学的にチェックしておこうと病院へ。 レントゲンを8枚も撮られたが 「特に所見なし」 という結果になったそうだ。 状況的に労災が効いたとのことなので、病院側もこれは保険が使えると、ここぞとばかりに無駄遣いしたんだろう。 もちろん、打ち身は暫く置いておくしかないので、暫く様子を見ていたが、打撲感が引いても体調が元に戻らない。 背中が張り、足が張った感じで重くなり、右手が痺れる、肩も凝るとのこと。 チェックすると、 仙骨の右上部がしっかりと右の腸骨(骨盤)に斜めに食い込んでおり、右仙腸関節が完全にロックされていた。 尻餅を右側でつくと、こういう形状になりやすい。そして、その結果生じた腸骨のずれと、仙骨のずれは、肩こり、腰痛、頭部不定愁訴など様々な問題を引き起こすのだ。 これを外す施術(5分程度)で、あらかたの症状は解消してしまった。 あとは、骨盤の歪みを拾ったであろう首の歪みを取っただけだ。 ご本人は 「なんで8枚もレントゲン撮って分からないのか…」 と訝り、軽く憤っていましたが、私が対象としているズレは非常に細かいものであるうえ、 関節と関節の間の組織の硬さもチェックして判断しています。 この組織は有機物ですので、 レントゲンには写りません。 レントゲンではチェックのしようがないのです。 触って、手の感触でわずかなズレを検知したあとに、そっと関節を動かして、その硬さ、左右差を見ていきます。 関節と関節の間の組織が抜け、骨だけが浮き上がっている二次元映像であるレントゲン写真だけを見て、ずれを判断する方が実はずっと難しい、というか、至難の業でしょう。 骨が折れているか、ひびが入っているか、ということは分かりますが、それ以上のことはなかなか分からない。 そして、レントゲンでは判断できないごく微妙なずれでも、人間は大変な不調に陥る時があるのです。 さて、これももちろん、西洋医学の否定ではありません。 私も転んだりして腰をしたたかに打ったりしたら、もちろん外科か整形外科に飛び込みます。 これでもし骨が折れていたら、これは私に

最近の施術記録から。全ては繋がっている。

最近あった話。 腰痛~膝裏にかけて痛みが半年出ている人。 医学部もある有名大学出身なので、医者の友達が多く、 まず腰椎の専門家 に診てもらった。 結果、 仙腸関節の問題だと言われ、 仙腸関節の専門家 (そんな専門があるとは知らなかった)へ。 仙腸関節の専門家の所へ行ったら 膝の問題だと言われて、 紹介された 膝の専門家 のところへ。 で、治らない。 最後は「騙されたと思って」(笑・本人談)、私の所へ来たとのこと。 結構難しく、四回の施術が必要だったが、治りました。最後は足首のロックを外して治しました(だんだん部位が下がってる(笑)) 足首で治って 「全身繋がってるのね!!」 と感心しきりでしたが、そりゃ、どう見ても全身は繋がってるじゃありませんか! ばらばらに考えているだけです。 足の指動かしたって頭の先まで響くのです。 体の痛みに関しては、細分化しても難しいことは多々あります。 総合的な物の見方、というのも必要で、西洋医学でもこのような流れは多少有るのですが、本流はひたすら細分化へと向かっています。 (注・短絡的思考の持ち主では無い方はご理解頂けていると思いますが、もちろん現代医学を否定しているわけではありません。 それぞれに得意、不得意分野があると思います。細分化したした結果、治せるようになった疾患も多いのですが、その結果、見逃してしまっていること、逆に西洋医学では治せなくなってしまったことも多数あるという一例としてご参考まで、ということです)

産前産後の施術について

これも問い合わせが多いので記載しておきます。 産前産後とも、腰回りの痛み、不調が起きることが多くあります。 産前は 、 胎児の発育に伴い、重心が変化し、歩き方なども変わりますので、それに伴うバランス調整の過程で起こる痛みが多いようです。 これまで使ってこなかった筋肉が使われたり、お腹の重みをカバーするために骨盤・仙骨の角度が変化することによる筋肉・靱帯の緊張がその主な原因です。 特に上にまだ小さなお子さんが居る場合、その子をだっこしたりしながらの妊娠生活となるので、より腰に負担がかかりがちです。 次に産後の話。 出産時には骨盤を形成する仙骨、左右の寛骨(かんこつ)を繋ぐ靱帯が伸びることにより、骨盤が大きく広がります。 これは日常生活では決してあり得ない、出産時独自の動きです。 赤ちゃんが骨盤下部を通過した後、仙骨、左右の寛骨は元の位置に納まるのですが、その時にずれた場所に納まることにより、その後も骨盤が大きくずれてしまうことがあります。 骨盤は日常生活でも悪い座り方(足を組むなど)や、膝の強打、四つん這い、立ち方のアンバランスなどでずれるのですが、出産時に骨盤が上手く嵌まらずに生じるズレは、これらより遙かに大きいものです。 ズレ方により、症状は変わりますが、腰痛を始め、それに伴う肩こり、全身倦怠感、食欲不振、鬱状態をも引き起こします。 ズレは必ず起こるわけではありませんが、上記のように、三つの骨がかなり引き離されるので、完全に元あった場所に戻るとは限らない訳です。 出産を機に体調を崩されたり、腰痛になる、仰向けに寝たときに以前とは骨盤の左右差や、傾きに異常を感じることが多いのはそのせいです。 このズレは「大きい」と言っても整体をしている私からの目線であって、婦人科や外科的には全く異常と見なされないレベルのものですので、病院では異常とは全く見なされません。 ここら辺は、産婦人科と整体の優劣問題ではなく、得意分野や観点が違うことが原因です。 産婦人科では無事出産が終わればOKであり、その後の妊婦の日常生活レベルでの体調不良は全く問題視されません。 骨盤の問題、調整はそれらの専門である整形外科でさえも殆ど省みられないので無理も無いことです。 さて、逆にこれまでずれていた骨盤が、 出産時に「いい位置に