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日々の施術30 ☆バネ指 2

 ☆2回目の施術 全体をチェックすると、骨盤は前回の効果が残っている。 従って、肩周りは非常に柔らかく、本人も「本当に楽になった」と喜んでいる。 指は、朝まだ暫く動かなかったり、痛みがあるものの、以前とは比較にならず、とても楽だということだ。 そこで、今回は肩~肘~手首~指への施術を行う。 肩周りから上腕は、小胸筋の過緊張、上腕二頭筋長頭の緊張が顕著だ。 前腕は、尺側手根伸筋とその他手首の伸筋群、手首の屈筋も、橈側手根屈筋を初めとする屈筋群両方が過緊張である。 要するに肩から下も全体的にパンパンである。 これらはPRTという、無理矢理筋肉を縮めるテクニックでゆっくり取っていく。 肘と手首は、上下を持ってゆっくりと逆方向にねじるテクニックを使用(名前不明)。 いずれも見ているだけだと、殆ど動きが分からないテクニックだが、施術されている人は、大きな動きを感じる。 すぐに寝てしまい、その間粛々と施術を行う。 ここまでで、指の動きはより良くなった。 次に、手首の舟状骨と、大小の菱形骨、中手骨の関係をチェックする。 ここら辺は細かすぎて読んでも面白くないと思うので適当に割愛する。 最後は、指のクリックが生じている関節へのアプローチ。 これも、関節の上下の骨を摘まんで、非常に弱い力でお互いに逆方向に捻るというテクニックで改善していく。 これらの施術に90分。 殆ど動きはなく、私も地蔵のように動かず、患者さんはひたすら寝ている静かな時が延々と過ぎていく。 これで腕から下の張りが抜け、指はほぼスムーズに動くようになった。 関節は完全に伸びきらず、クッと鋭く45度くらいに屈曲しているが、患者さんは日常生活には支障がないし、なにより張りや痛みが消えて本当に良かった、という。 あとは、一回や二回の施術では1週間くらいすると再発してしまう場合があるので、これを防ぐ為、あと何回か施術して、より関節を伸ばしながら、よりスムーズに、より長持ちするようにして行くことになる。 最後に、バネ指の改善にあたり、手術をするか? 当院の施術で治すか? それぞれのメリットデメリットをまとめる。参考にして欲しいと思う。 ☆バネ指治療における、手術と、手技による施術のメリットデメリット比較。 抜糸するまで手が使えないというのは手術のデメリット。リハビリにも時間がかかる。 しかし、それさえ過ぎれば問題ないので、長期

部分は全体であり、全体は部分である

最近またバネ指に対応しました。 そこで、以前Facebookに友達対象に載せた記事をまだブログに載せていなかったのを思い出し、先ほどアップしました。 案外知られていない症状なので、そもそもバネ指とはどんな症状か?ということも書いてあります。 バネ指は指という「部分」に障害が起こる病気ですが、発症する方はほぼ間違いなく肩、腰などにも故障があります。 自分で気付いていないだけです。 根本的な部位の故障が部分に悪影響を与えることはよくあります。 バネ指といったような「部分の病気」であっても、全体をまず治すことが、とても重要です。 指だけ治すことも出来ますが、やはりぶり返してしまうことが多い。 整形外科など、西洋医学の医院に行くと、指しか見ないでしょう。 そして最終的には指の手術を勧められると思います。 西洋医学では現在、悪くなった「部分」しか見ません。 この悪影響で、多くの人が悪くなった「部分」だけをチェックし、そこだけに治療を行う「対処療法」を本当の治療だと勘違いしています。 指の障害があったら、指を治す。当たり前かもしれませんが、指だけ触っていてもダメなのです。 部分は全体であり、全体は部分である。 「あ、マンガにありますよね」 と言われますが、これは既に仏教にある思想で、マンガが仏教を取り入れているわけです。 もちろん、マンガの影響力の強さはとてもありがたいものです。 そのお陰かどうかは分かりませんが、指を治すためには指だけ触っていてもダメだ、という発想は若い人は実に柔軟に対応してくれます。 全く受け入れてくれないのが、高齢の男性ですね。 今、受け入れてくれている若い人が、60歳、70歳になったとき、やはり考えが硬直化して視野が狭くなり、同じようになるか?そういう傾向はやや生じるかもしれませんが、同じくらい頑迷にはならないと予想しています。 30代以下くらいから若い人の発想は驚くほど柔軟です。高齢男性にはそれが「軟弱」「芯がない」ように見えるのかもしれませんが、 私は彼らが50代、60代になり、社会の中枢に来る時代が楽しみです。 いつの間にか話題がバネ指から全くそれてしまいましたが(笑)、とにかく部分の障害であっても部分の処置だけでは済まない。 その障害には全体の不調が凝縮されていると考え、それが何か?を洞察し、改善していくことが重要であるということだけは、覚えてお

日々の施術29 ☆バネ指への施術 1

☆女性 70代 ☆症状 長年のバネ指。 右の中指が、完全に曲げにくい上に、完全には曲がりきらない。 一度ある程度曲げてしまうと、延ばすときに引っかかって自力では延ばせない。 左手で引っ張ってやると、カクッというクリックとともに、伸びる。 この間、動きごとに痛みがある。 医者をはじめ、鍼、整体等あらゆる所を試したがよくならないので「こういうものだ」とほぼ諦めている。 しかし、年々動きが悪くなり、現役で事務仕事などをしているため、不自由なことが増えて困っている。 痛みは我慢できても動かないのは他の人にも迷惑がかかるから、治るならもちろん治したい。 この数年は、朝の強ばりが酷く、起きてから1時間くらいはジンジンと指~指の付け根にかけて頂く、全く動かすこともできないので、朝の家事ができないのも困っている。 ☆バネ指とは バネ指は、四十肩、五十肩と同じように、 正式な病名ではなく、定義の難しい疾患 である。 四十肩五十肩は、原因不明の肩痛、腕の可動域低下を現象面だけでいっぱひとからげにしている「俗称」であって、機序は様々であるが、バネ指も、指が動きにくくなったが(多くは疼痛を伴う)原因がよく分からない疾患を、現象面でカテゴライズした総称である。 動きが単にスムーズでなくなっただけでなく、途中で引っかかり(クリック)が生じ、この引っかかりを通過させるときにかなり力が要る。 例えば、指が伸びにくい場合、うーんと力を入れると、突然カクッと一気伸びる。 この様がバネ仕掛けの様に見えるので、こう呼ぶが、先も書いたように現象面からつけた名前なので、機序(発生原因と、発症のメカニズム)は様々であり、西洋医学的には一般に原因不明とされる。 症状が進むと、自力でクリックを通過することができなくなり、反対の手で引っ張って伸ばすなどの作業が必要となる。 指が動かないことより、生活が不便になるだけでなく、多くの場合痛みを伴うので、これが患者を苦しめる。 一般的な治療は、痛み止めによる苦痛の緩和、ステロイド注射など。 重度になると手術となる。 西洋医学的には根本的な解決は手術しかないとされる。 ☆検査 さて、検査してみると、指は典型的なバネ指状態で、自力では開くことができない状態までになっていた。 変形もかなりあり、45度くらい曲がった状態で固定され、これ以上伸びない。 問題は指だけではなく、右腕が上