投稿

8月, 2016の投稿を表示しています

マッサージ師 という国家資格があることが殆ど知られていない件について③ ツボへの刺激

ツボが体に効くということは、誰でも知っていることで、 その手の本も沢山出ています。 本屋に行かなくても、 最近はコンビニの雑誌売り場の横にある、 ちょっとした書籍コーナー にもツボの本などありますので、すっかり世間に定着している感があります。 テレビでもワイドショーの1コーナーなどで、しょっちゅう肩こりや眼精疲労に対するツボ刺激講座をやっているので、ご覧になった方も多いでしょう。 誰もが本やテレビを参考に、ツボを押したことが一度や二度はあるでしょうが、 「効いたな」 という感想を持たれた方はどのくらいいるでしょうか。 たぶん、高い効果を感じた方はあまり居ないのではないでしょうか。 私も以前はそうでした。 ツボっていうのは民間療法の気休めレベルのものではないかと。 しかし、鍼の学校に行きまして、ちゃんとした押し方を教わると、かなり効くことが分かってきました。 場所も、本の指示などでは見つけるのがかなり難しい微妙なものですし、 何より 「押す角度」が重要です。 そして、 その下に何があるのか、というイメージ 更には、効かせているイメージ が重要です。 この効かせているイメージを明確に抱くためには、自分がきちんと 効く治療を受けた経験が何度かなければなりません。 したがって、結構年季のいるものだと言えます。 これらのコツをつかめば、かなり効かせられますが、そうでなければそれほど効くとは思えませんので、 普通の方がツボの本、を買ってきてよくある体の図の赤丸で示したツボの部分を押してみても 「うわっ!」 という様な効果をあげるのは少々難しいと思います。 ツボの勉強や、解剖学をきちんと勉強したことがなく、 自身もいい加減なマッサージしか受けたことがない人には、 慰安以上の、何か効果があるマッサージをすることは無理です。 三年も勉強しないとマッサージ師の国家資格が取得できないというのは難しすぎる気もしますが、 以上の理由により、有資格者のそうでない人の間には、かなりの差が生じることとなるでしょう。 いずれにせよ、ツボを指で押すと効果が今一つなことが多いのですが、 鍼を刺すと驚くほど効きます。 鍼ももちろん、角度や場所が重要になるのですが、指で押すのと

かつら、ウィック、被り物をしていても頭蓋への施術は可能か?

イメージ
今日はお客様からの質問についていです。 頭蓋への施術が特徴的な当院ですが、 ①病気など、やむを得ない理由で、かつらやウィックをしている方 ②宗教上の理由などで被り物をしている方 ③諸事情により、特殊な髪形をしている方 等の特別な事情を抱えている方から、 頭蓋への施術に支障はないか、 という質問を時々受けます。 これは大体において、問題はありません。 ①~③の質問についての簡単な回答を記しておきますので、受診時の参考にしてください。 ① 美容上の理由、円形脱毛症や、ケガなどの傷跡を隠す等の目的により、かつらをしている方ですが、これらはもちろん、外せるなら外したほうが施術がやりやすく、効果的なのは間違いありませんが、大きな支障はありません。 施術では、大きな力は加えず、触れているだけに近いので 、 ズレてしまう心配は殆どありません。 事前にお申し出、ご相談いただければ、外さずにそのまま施術できる場合が殆どです。 予約時に状態をお知らせいただければと思います。 ② 一例あげますと、 イスラム教徒 の女性がお越しになっています。 宗教上の理由により「 ブルカ (正確には顔の出るヒジャブ」を着用されています。 施術時も基本的に外すことは出来ないのだが、非常に体調が悪いので何とかならないか、 とご相談いただきましたので、服装だけ着替えてヒジャブはそのまま施術を行っていますが、 やりにくいのは確かであるものの、 特に問題なく施術を行い、喜んで頂いております。 骨盤等への施術を行う場合は全く問題ありませんし、頭蓋への施術の場合も、 ヒジャブ越しに軽く指を当てていますが、普通に波動が取れ、効果をあげています。 ③ 特殊な髪形の代表としては、 現役時代の琴欧州関 へ施術を例にあげたいと思います。 髪は現役の力士ですから、もちろん長髪の全体にびんつけ油をたっぷりと塗布し、これをひっつめ(ちょんまげ)にした状態です。 大関がそもそもお越しになったのは、肩の改善でしたので、骨盤、肩回りなどの施術が主でしたが、全身のリラクゼーションも大変重要ですので、施術の仕上げには頭蓋への施術を行っていました。 これも、油でしっかりと固められた髪の上からそっと触れて行っていましたが、波動は十分にとれ、 大関はすぐに寝て

医師と整体 医師は整体に来るのか?

医師は整体や鍼が嫌い。 「鍼で治した」と言ったら怒られた。 「そんなところでやるなら、もう診ませんよ。行くなら勝手に行ってください。」と見放された。 なんて話を時々聞きます。 一般的にお医者さんは東洋医学や、鍼、整体を目の敵にしていると思われがちです。 一般論では未だにそうかもしれませんが、 お医者さんにもいろいろたタイプの方がいますので、私の所にも、一腰痛患者、肩こり患者として普通にお越しになっている医師の方は結構おられます。 「結構」という書き方がなんとなくいやらしいので、もう少し具体的なことを書きますと、月1回~二三か月に1度、割とコンスタントにお越しになっている方で10人位でしょうか。 医者のくせに体が悪いのか? なんて、SNSなどで時々気の毒なことに責められたりしていますが、医者の激務ぶりと、体の使い方の無茶さ加減は大変なもので、びっくりするくらいボロボロの方が多いです。 今の世の中では医者もサラリーマン的側面を持っていますが、そういう面からみると、かなりブラックでハードな仕事環境にいる人が多く、まあ、これは現状仕方ないかな、と思わざるを得ません。 したがって、普通の人が思うよりは苦痛を抱えていて、 しかも、友人の医師に診てもらったりして、比較的容易に薬が手に入る分、 逆になるべく薬に頼りたくない、という思いも普通の方より強くもっていることが多いようです。 そんなこともあって、とにかく治るんだったらいいや、試してみよう という、好奇心と、自分が楽になりたいという思いから、普通の人が考えているより あさっりと受診を決める方が多い傾向にあります。 ただ、私にも高校の友人など、医師の友達がおりますので、いろいろ裏話を聞いていますから、医師、という立場で、患者様に指導したりする場合、鍼や整体をおおっぴらに勧めにくいことがあるだろう、ということは私も容易に想像がつきますので、これらの方がご自分の職場で鍼や整体を積極的に取り入れたり、勧めたりしているかどうかについては、私はあまり意識をしないようにしています。 鍼などを目の敵にする場合、本当にそう思い込んでいる医師もいるでしょうし、 それは仕事上のポーズであって、自分は実は整体に通っている、という医師も実は多くいると思います。 私の所にお越

マッサージ師 という国家資格があることが殆ど知られていない件について②

さて、 何でマッサージが三年も学校に通った有資格者以外できないのか 、 ということを書き始めたかというと、 先日、夏休みということもあり、数日で1500キロほど車を運転しました。 腰のサポートグッズなど、かなり気を付けていたのですが、さすがに強い疲労感に襲われ、 走行後、香川県に居た私は、行きつけの温泉に居るマッサージ師の施術を受けようと出かけて行きました。 温泉施設の休憩所の一角でマッサージをしているのをよく見ると思いますが、あれです。 そのマッサージ師は国家資格保有者で、一時間で3000円なのですが、本当に上手くて効果的なのです。 やはり有資格者の施術は一味も二味も違うと思います。 私は整体の仕事を始める前、高校の専任教員をしていた頃から、自分自身が施術を受けるのが好きで、マッサージなども方々で受けていました。 私もそのころはマッサージに資格が必要だとは私も全く思っていなかったのですが、 ある日都内の今はなくなってしまったサウナに行った際、マッサージを受けようとフロントに申し込んだところ、 フロントマンがいかにも自慢げに 「うちのマッサージ師は国家資格持ってますから、上手いって評判なんですよ」 と言う。 何のことかいまひとつ分からなかったので 「はあ、はあ、そうですか」 なんて適当な返事をしていたのですが、これが受けてみて驚いた。 「何かリクエストはありますか?」 というので「最近食欲がなくて、疲れ気味だ」というようなことを告げると、しばらく体の前後をさすったり調べていたのですが、 おもろに右手首から肘にかけてを揉み始めました。 ツボに的確に指が入り 「効くな」 という感覚を強く味わいました。 ツボは押すと痛い、ということは知っていましたし、 それまでのマッサージでももちろんツボは押されていたのですが、 ダイレクトに内臓に響き、治療といってもいい感じは初めてでした。 今思えば陽池、手三里、曲池、といったツボのあたりを押していたと思います。 「これがツボを押すということか!!」 と感動したのを今でも覚えています。 そのあとも筋肉の隙間、ツボに的確に指が入り、みるみる私の胃と内臓は活性を取り戻してゆくのを施術中に実感することができたうえに、 施術が終

マッサージ師 という国家資格があることが殆ど知られていない件について①

今回は、マッサージ師という国家師資格がありながら、ほとんど知られていない事実や、 そもそもマッサージをしている人のほどんどがその国家資格をもっていないのに、施術を行っていること。 そして、それなのに、国から何のお咎めもないことはなぜか、ということをお話ししてみたいと思います。 色々なことが見えてくると思います。 さて。 マッサージはとても気持ちがよい上に、手軽で誰でもできます。 だれでも家庭内や、クラス内などで、気軽に肩や腰をもんでもらった経験くらいは持っているでしょう。 その中でとっても上手い人がたまたまプロとして行っている、 というような認識を持たれがちですが、本来は 国家資格を持っている人以外が行うのは不可 であり、その 国家資格を取るには 厚生労働省が定めた専門学校に 三年通った上に試験に通らなければならない。 ということは殆ど知られていません。 え?世の中にあるマッサージ屋はみんなそんな苦労しているのか?? と思うかもしれませんが、実際はほぼ無資格です。 60分2980円くらいの店がこの数年大量に発生していますが、そこに 有資格者が居ることは稀です。 だいたい、お店の定める講習会(数時間~数日)を終了しているだけです。 厳密にいうと、これら従業員はみんな捕まってしまうのですが、そんなことは起こっていませんね。 それはなぜかと言うと、 マッサージは手軽で、原始的すぎる面を持っていますので、 どこまでがアウトで、どのくらいならセーフなのかを明確にすることがとても難しいからです。 よく頑張ったね、と夫が妻の肩を揉んでやるとか、 娘がお父さんの腰に乗って凝っているところを押すとか、 そんなのも取り締まりの対象にしていては、世の中が回りません。 金銭の授受がない上記例はあきらかに捕まえるのがおかしいと思われますが、 これが一つの突破口となり、金銭の授受が行われていても、なかなか検挙にまで至るのは難しく、 「まあ、いいか」 となったきり、そのままです(法律は一度判定基準ができあがると、それがそのまま適用され続けるのはご存知のとおりです)。 本来、独立して人の体を治したり、改善したりできるのは ○医師免許 ○歯科医師免許 ○柔道整復師免許

「筋力をつけると腰痛が治る」のは本当か?

施術をしていると、お客さんから 「ここが痛いのは筋力が足らないからですか?」 「筋力が足らないから痛みが出ているのはわかっています」 なんていう発言をよく聞きます。 「ここがおかしいのはリンパが流れていないからですか?」 というのも多いです。 リンパ、筋力は現在のところ、体の不調、痛みが発生した際に患者さんが、まず原因と考える 二大要素だと感じています。 しかし、これらの「体の不調を引き起こすもの」は、テレビなどの影響による 「流行りすたり」があり、今はこの二つが単に医学常識っぽくなっているだけで、 かならずしも重要な要因ではありません。 間違った認識がとても強いリンパですが、今回は置いておいて、もう一つの 「筋力の低下」 について考えてみたいと思います。 腰痛等体の痛みが出て医者に行くと、整形外科に限らず、鍼、接骨院、整体などで 「これは筋力の低下ですね。トレーニングしてください」 という様なことをすぐ言われてしまうと思います。 私の子供のころはそんなことはほとんど言われなかったと思うのですが、明らかにこの10年くらいの流行りです。 「筋力が足りていないですからね…」 と嘆く30代、40代男性も珍しくありません。 しかし、ここは冷静に考えてみましょう。 本当に腰痛等の原因は筋力の低下でしょうか。 以下のことをよく考えてみて下さい 大変元気で、80、90になっても家事労働を難なくこなし、 時には小走りで走ったりし ているご老人をテレビで見ることが多いと思います。 ご近所にもいるかもしれません。 大体、年取っても元気なのは女性の方が多い傾向があると思いますが、 このような90歳で足腰のしっかりしているお年寄りの「筋力」 はどのくらいあるでしょうか? 筋力が不足している、と嘆いている30代男性より強いのでしょうか? そんなことはあり得ません。 絶対的な筋肉量や、パワーは遥かに下です。 おばあさんより明らかに20代、30代女性の方が「筋力」は上ですが、 彼女たちであっても、男性より一般的に筋力が弱いのは明白です。 そして男性より弱いにも関わらず、腰痛にならない人もたくさんいます。 こんなことからも 「筋力が不足している=腰痛の原因」