突発性難聴の話

       今日は、突発性難聴の話。
HPに対応症状として載せているので、コンスタントに患者さんがいらっしゃいます。
今回来られたかは、発症は半年前。
耳鼻科、整体、鍼と流れてきて、絶対に治したいと、まとめて予約。
普通に生活していると、あまり聞かないかもしれないが、私のように、人を癒やす仕事をしていると、世の中には突然耳が聞こえなくなる人が実に多いことがわかります。

突発性難聴は、急に耳が聞こえなくなる原因不明の症状の総称で、実はこれと言った決まった病気ではありません。
原因が分からないので、治しようもなく、一般的には耳鼻科でステロイドや消炎剤を投与され、安静を要求されます。
これで治る人は治りますが、治らない人も半分以上です。
ステロイド治療で分かるように、何らかの原因による炎症を疑っているのですが、確たる証拠があるわけではなく、とりあえず標準治療として行っているので、本当に何らかの炎症である人は治るかもしれないが、そうじゃなくて難聴になっている人には効かないといういうことです。
ここらへんは、顔面神経麻痺と同じです。

私は以前「突発性難聴」という確立された症状があるのかと思っていましたが、
全くそういうわけではなく、細かく見てゆくと、突発性難聴にも実に色々な種類があります。

「ぎっくり腰」
が急に来る腰痛の総称であって、実は、原因が腰椎だったり、仙腸関節だったり、内臓だったり、
実に多彩なのに似ています。

さて、この方は、耳鼻科での標準的治療が全く効かなかった。
そこで医師からも
「色々な治療方法を試してみるとよい。鍼、整体なども効果が出ている」
と勧められたそうです。
近所の鍼や整体などを試し、効果がでないので、いよいよ、この味も素っ気もないHPの私の所にお越しになったというわけです。
いつも言っていますが、客観的に見て、このHP、しかも個人宅施術の私の所に紹介なしで来るのはかなりの勇気が要ると思います。
それだけお困りだということで、こういうお客さんはより、大切にしなければなりません。

これまで突発性難聴でお困りの方に100パーセント共通しているのは
「強い体の歪みがある」
ということです。

これが強い肩こりや首凝りを引き起こしています。
また、頭蓋も非常に動きが悪くなっています。
肩こりは、単純に体の歪みの問題ですが、頭蓋はストレスなので、
一般的に言われている
「突発的難聴は、ストレス由来の病気である」
という説も、十分にうなずけます。
私の場合は、とりあえず、
骨盤中心に歪みを解消し、肩首周りの凝りを解消します。
この時点で、患者さんは併発しがちな頭重患、耳閉感等の不愉快感から解放され、とても楽になります。

この方も、典型的な
「子供の頃からの強烈な肩こり」
で、これを骨盤で解消。
この時点で、生まれ変わったようだと、喜んで頂きました。
みんな、こんなに楽な肩で生きてるんですが、ずるい!と悔しがっている(笑)
本当に、骨盤から来るずれが治ると、そう思うと思います。
肩は、それ以降治ったまま。
これだけでも来た甲斐があったと喜んで頂きました。

さて、耳の方は張り感、閉塞感が残ったが、あとの2回の頭蓋骨と、頸椎への施術で8割方なくなってしまった。
これはかなり成績が良いほうで、この一年では一番の結果でした。
(一名だけ、一度で止めてしまった方がいるので、その方は除きます)
半減までは行くが、それ以下は、時間がかかるか、3割以下にはなかなか落ちない場合も多いですから、一気に8割はかなりよいです。
ただし、数回の施術で7割減でも、他よりは随分効果があると思います。

一般的な話をすると(あくまでも目安です)、
とりあえず肩、首周りの凝りを取り、すっきりさせるのに、
1週間~10日のスパンで3回。
聴力の回復はその後1~2週間単位のスパンで行っていきます。

ここから先はケースバイケースで順調に減っていくこともありますが、
ある程度で足踏みしてしまうこともあります。

耳の聞こえが悪いといっても、大きく分けて二つあり、

①本当に聴神経がおかしくなっている場合

もあれば、

②神経は正常だが、周囲の筋肉、頭蓋の緊張度が高く、正常に機能しなくなっている場合

があると考えています。
先に申し上げたように、突発性難聴、というのは相当大雑把な名称なので、
実際に施術してみないと、前者なのか後者なのかは区別がつきません。

①、②どちらでもあっても、緊張、歪みが強いのは共通しているので、
これを数回の施術で除去し、かなり爽快になって頂けます。
そして②の場合は、その時点でかなり聴覚も回復しますが、
①の場合は正直完全な回復は難しいと思います。

今回のケースは②だったと考えられます。

話を戻しますと、施術が一段落ついた時には、
「本当に来て良かったです。先生のおかげです」
と深々と頭を下げて帰ってくれたのですが、
三週間ぶりにメンテに来て
「これ、結局ほぼ治ったんですけど、治ったのはここの整体の結果だとしか思えないんですよね~。
もう鍼も行ってないし、何にもしてないですから。
本当に整体で耳なんか治るもんなんですね」
としきりに頭をひねっている
「先日は、うちのおかげで治ったって、言ってくれていたじゃないですか(笑)」
「いや、でも未だに信じられないんですよね。腰で耳が治るなんて。それに、頭も効きましたけど、触っているだけじゃないですか」
と、暫く間を空けた結果、疑問が噴出したよう(笑)
まあ、何度受けても不思議ですよね。

腰と肩、腰と耳が繋がっているなんて不思議だ、と本当に、ほぼ毎日患者さんに言われますが、
よく見てください。
単純な事実として、腰と肩、そして耳は、どこにも継ぎ目も、途切れもなく繋がっていますよね(笑)
言葉を持ち、ものに名前を付けることにより、人間は科学的思考を身につけ、進化する代わりに、孤独になってしまったと哲学の世界では言われますが、全くその通りで、
本来一つのものの部分に
「腰」
「肩」
「耳」
と名前を付けたとたんに、我々はそれらがあたかも別々のものだと思い込んでしまっているわけです。
この思考は科学的には重要なことで、この思考の元に、例えば腎臓、肝臓という風に内臓も分けて考えてゆき、それらが機能不全に陥った場合、他の人のものと入れ替える、ということが行われます。
人体を分けてゆき、見かけの形や、機能がことなるものを、それぞれ「部品」と捉えて、まるで車の故障を直すように、交換していくわけです。
これは大変な技術ですし、これで助かる人も数多く居るでしょう。
将来私もお世話になるかもしれません。
しかし、この思考のおかげで、我々は人体を部分にわけて考えすぎる癖がついてしまいました。

耳がおかしくなったら、耳だけいじるのは、視野が狭すぎるのです。
人体は全て繋がっていますし、更に視野を広げると、人間は個人では生きてはいけない、ということまで、広く考えて行く考えていく必要があると思います。

ご予約はこちらで施術スケジュールをご確認の上どうぞ。初診の方への情報も書いてあります。→http://zugai-yragi-yotei.blogspot.jp/



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