体温より高いものを口にしよう
この数年、完全に時代が変わってしまったことを実感する暑さで、
猛烈な暑さに対抗するために、室内を冷やしたり、冷たいものを食べたり飲んだりして、我々はなんとかこの暑さをしのいでいます。
その結果おこる不調として
冷房による冷え
冷房のきいた部屋と外気との温度差による、
自律神経の乱れからくる体調不良
がよく取り沙汰されますが、
今日はあまり注目されない
食べ物による体の冷え、
そこから来る体調不良
についてお話しします。
内臓、特に口から肛門に至る消化器は1本の管
なのですが、その殆どが筋肉で出来ています。
体を動かす、力こぶを作るような筋肉とは違いますが、同じ筋肉なのです。
筋肉は動かさないとすぐ衰えて硬くなりますが、これは内臓も同じ。
動きが悪くなると、内臓そのものや、内臓を体につないでいる膜や靭帯も硬くなり、
柔軟性が著しく低下します。
こうなると色々なところで「張り」や「ひきつり」が生じ、
その結果重い感じの背中〜腰の痛みが生じます。
夏の重い感じの腰痛は内臓が硬くなったことによって引き起こされているものが多いです。
動くと痛い。
靴下を履くような動きで痛い。
立ち上がると痛い。
こういうのは一般的な筋肉や靭帯の損傷、硬化から来る腰痛ですが、
動いても動かなくてもあまり関係なくずっと痛い。
重い感じの痛み。
朝痛くて昼になると軽くなってくる。
という特徴を持つ腰痛の場合は内臓の機能低下、硬化を疑った方がいいです。
さらに進行すると、
背中や、体全体も重だるくなります。
なぜ内臓の動きが悪くなるのか?
それは、冷房による冷え、自律神経の乱れによる内蔵の機能低下
がまず原因として挙げられます。
内臓は筋肉なので、動きが悪くなるとすぐ硬くなります。
そしてご存じのように、同じ筋肉であっても手足の筋肉と異なり、内臓は自分の意思では動かせません。
ここがやっかいなところですね。
運動不足だから動かすか、というようなことができません。
それからもう一つ。
これが今回のテーマなのですが
冷たい食べ物の過剰摂取によっても、
硬くなると同時にパワーダウンして動きが低下します。
人間は水(水分)を大量に摂取しますが、水分も大量に出しますよね。
代表的なのは、汗と尿です。
それぞれ個体差はもちろん、生活環境や仕事内容によってかなり差が出るのですが、
教科書的には、安静にしている人で1日あたりどのぐらい出すかというと
尿→1リットル弱〜3リットル
汗→1リットル弱〜2リットル
と言われています。
汗は開きがあり、
暑いところで1日肉体労働をすると、
10リットル弱から、場合によっては12リットルくらい出ると言われています。
この暑さの中、どなたも汗をかくときはとんでもない量をかくのは、経験されていると思います。
汗が増えると尿は相対的に減りますので、出る水分の総量となるとなかなか一概には言えませんが、
夏場は
汗と尿とで少なくても1日あたり2リットル以上、
多いとすぐに5リットルくらい行ってしまう。
猛暑の時屋外にいると10リットル程度と考えていいと思います。
昨今のように暑いと、
特に屋外活動をしなくても通勤したりするだけで5リットルくらいかいていそうです。
さて、これら体から出る、
汗や尿の温度は何度くらいありますか?
尿は体の奥から出てきますので、
深部体温とほぼ同じで40度弱です。
検尿の時に紙コップから伝わってくる、出したての尿の温度を感じたことがある人も多いと思いますが、かなりの温度ですよね。
汗は出ると速やかに冷やされますが、それでも元は血液ですから、出てきた時は35~37度はあります。
この温度はぬる目〜適温の風呂の温度くらいです。
我々は毎日
2リットル〜10リットルの「お湯」を体からだしているのです。
体から出るのは温度的観点からは
「水」ではなく、「お湯」
なのです。
さて、一方で我々は水分を何で補給しているでしょうか。
直接水分を飲む
か、
食べ物から
ですよね。
それ以外の方法で水分を摂取している人はいますか?
いませんよね(笑)
全部口から入ってくるわけでず。
日々の生活で体重が大体毎日均等に保たれ、
水分不足で倒れたりも滅多にしないことから、
出すのとほぼ同じ量の水分を摂取していることになります。
外に出てガンガン汗をかくときは、無意識にたくさん水を飲みますよね。
「2リットル出したから、同量補給するか」
など、測ったり、難しく考えなくても人間に備わっている本能により、出したのとほぼ同量を無意識に摂取します。
ここで、考えて欲しいのは、
出る量と大体同じの、
2リットル〜10リットルに及ぶ、補給した水分の温度です。
我々は上で述べたように、毎日2リットル〜10リットルの、お湯を体から出しています。
その熱源は我々の体温です。
夏場は野外活動をすると簡単に10リットル近い、38度くらいのお湯が体からでるわけですが、
10リットルの水を38度くらいまで加熱するのはかなり時間がかかりますよね。
そもそも一般的なヤカンは2リットルくらいしか入らないので、
ヤカン5個分です。
コンロを使用しても、かなりガスと時間が必要ですね。
さらに、
水をお湯にするにあたっては、重要なファクターがあります。
「スタート時点の水の温度」も考えないといけませんね。
室温の25度~30度程度の水を38度にするのに比べ、
5度くらいの水を38度にするのは必要な熱量がかなり違います。
さて、
朝から水分補給の為に一日の間に飲んだもの、食べたものを思い出してください。
冷たいもの多くないですか?
少なくとも飲むものは、現代に生きる我々は夏場は冷たいものばかり飲んでいるはずです。
特に意識していなければ、冷たいものしか身の回りにない。
店にいってもまず出てくるのは冷水。
家でももちろん、冷蔵庫の中の冷水やジュースを飲んでいるでしょう。
そして、食べ物も冷たいそうめん、冷やし中華などが多いのではないでしょうか。
我々が夏場 美味しい!! と感じる
いわゆる「冷たい水」
は5度くらいと言われています。
これを大量に体に入れて、40度近いお湯にまで加熱して排出している。
これが我々の夏の間毎日していることです。
熱源は細胞で発生した熱、我々の体温です。
せめて食べ物が温かければいいですが、食べ物も、40度以下で体温より低いことが多いのではないでしょうか。
先述のように、そうめんなど、冷たいものばかり食べていると、
気がつけば口にする食べ物、飲みものの全てが体温を大きく下回っていることもあるかと思います。
体より高温のものが入ってきた場合、体は熱を受け取り、エネルギーとします。
多ければ体温による放射、汗で放出されます。
体より低いものが入ってくると、体はとりあえず体温に馴染むまで加熱を行います。
体内に入った食べ物を温めるというよりは、
冷たいものによって冷えてしまった体の部分に熱を送ると同時に、産熱を行い、体温を一定に保とうとします。
あまりにも低い温度のものが入ると、その緊急性は増し、神経が緊張して非常事態として受け止め、一気に産熱します。
絶えず冷たいものを口にすると、これらの働きが起こり続け、
我々の神経と体は本人の知らないところでずっと緊張し、労働し、産熱し続けた結果疲弊します。
これが何日も続くとさらに疲弊します。
これが夏バテであり、内臓硬化であり、内臓硬化から来る腰や全身の重さにつながります。
我々は簡単にいうと、毎日
冷たいものを口から入れて、体力を使って全部お湯にして体から出し続けている、
と言えるのです。
これは確かに疲れますよね。
もう一つ重要なことを書いておきましょう
内臓には熱さ、冷たさ等を感じる神経がありません。
食べるときに
「暑い!」
「冷たい!」
「辛い!!」
と大騒ぎしても、飲み込んでしまえば平気なでお分かりかと思います。
しかし、感じないだけで
「口内に感じる危機感はそのまま内臓が受け取っている」
と肝に銘じるべきです。
ある意味、内臓には麻酔が打たれているので感じない状態になっているだけであって、
感じないからといって、問題がないわけではないのです。
背中に冷えた缶ビールを当てたら飛び上がりますよね。
これは体が危機を感じて、防御反応を起こすからです。
このように、5度程度の水は体に危機を与える存在なのです。
この防御反応も、自律神経が乱れる元になります。
内臓が安らかに働く為には、
食べ過ぎて負担を増やさない、ということはよく言われますが、
その他も
冷たい物を取り過ぎて負担をかけない。冷えを体内に持ち込まない。
冷たいものを入れて緊張させない。
ということもとても大切なのです。