女性の尿漏れ改善について
尿漏れとは、笑ったり、くしゃみをしたりして腹部に力が入った時や、ちょっとした動きの際に少し尿が漏れる現象です。
大量ではありませんが、その不愉快さは容易に想像できます。b
一昔前は高齢女性特有の症状というイメージがありましたが、最近は若い女性にも増えています。
私の所には、肩こり、腰痛などの症状で来られた方が初めての問診時に
「尿漏れを改善したい」
という申し出は殆ど無いのですが、施術が進むと
「実は尿漏れがあったのですが、なくなりました」
という方が少なからず居られます。
これは、
腰痛、肩こりへの施術で、尿漏れが治ると思っていない。
そもそも整体で尿漏れが治ると思っていない(期待していない)。
改善しに来た肩こり腰痛とはあまり関係なさそうだし、恥ずかしいのでとりあえず黙っている。
という様な理由だと思います。
しかし、尿漏れは腰痛、肩こりと関係があります(全くこれらが無いのに、尿漏れだけが起こるケースの方が少ないかもしれません)。
従って、腰痛等が改善すると、結果的に尿漏れが解消することが殆どです。
何故関係があるのか、そしてそもそも何故女性に多いのか、などについて以下に記したいと思います。
尿が膀胱に溜まり、それが尿道から出てくるのは皆さんご存じかと思います。
形は膀胱という袋の先に管がついているイメージです。
管が文字通り尿管です。
もちろん、この尿管が普段閉じているので、腎臓から随時送られてくる尿は、そのまま流れ出ることなく膀胱に溜まっていきます。
尿管が閉じているのは、体の肉や脂肪で狭められているからではなく、
括約筋(かつやくきん)というリング状の筋肉がその周囲を取り囲み、キュッと締め上げているからなのですが、
この括約筋が変わった筋肉なのです。
普通、我々が筋肉というと、腕や背中、足の筋肉を思い浮かべると思います。
これらは普段はフニャフニャですが(弛緩状態)ですが、力を入れると固く、短くなります。
しかし、括約筋はその逆で、普段からずっと力が入っており、意識したときだけ緩めることができます。
手足の筋肉に力を入れるにはそれなりの気合いが必要ですし、ずっと力を入れていると「頑張っている感」を感じ続け、疲れてしまいます。
しかし、括約筋は「縮まっていることが基本状態」の筋肉ですので、ずっと力が入っていても、我々の脳には手足の筋肉のような「頑張っている感」が感じられません。
どこにも力を入れず、リラックスして大の字に寝ている時でも、括約筋は締まっています。
力を入れていると感じられないだけで、いついかなる時も基本的に力が入った状態なのです。
この「力を入れているのを感じない」のは内臓の筋肉全体に言えることで(内臓、特に消化器は筋肉の塊です)、これらは自分で動かすことはできませんし、活発に動いている時でも、我々にはその動きが手足の筋肉のようには感じられません。
長期にわたり食べ過ぎたりすると、全体的な疲労感として現れてきますが、手足の筋肉のようなダイレクトな疲労感は感じない筈です。
また、同じことは常に動き続けている究極の筋肉である心臓にも同じことが言えます。
あまりハードな動きをすると、いかにも動いている感じがしますが、循環器全体に負担を感じるだけで、よほどの不健康状態で無い限り、心臓の筋肉の動きそのものが苦しいという感じはしません。
そして、安静にしている時は基本的に何も感じませんが、心臓はしっかり収縮したり、弛緩したりを繰り返しています。
相当な力で収縮しているのですが、普通にしている限り、我々には激しい筋収縮が体内で起こっていることは感じられません。
括約筋はこれらと同じで、締まっていることが我々には特に感じられませんが、一生の間基本的に締まり続けています。
弛緩するのは、排尿するために意識したときと、死んだときです。
強い便意を感じたとき、我々はおしりに力を入れたりして我慢しますが、これはずっと力の入っている括約筋とは別の筋肉です。
例えば、下痢の場合を考えてみましょう。色々パターンはありますが、主な下痢は体内に入った毒素を体が速やかに排出しようとする行動です。
毒が腸から吸収されないように、大量の水とともに急いで外に出してしまいます。
その時は、直腸が収縮して強い排出圧をかけると共に、肛門にある括約筋が弛緩します。
これは緊急事態なので、本人の意思に関係なく、オートマチックに行われます。
そのままですと、強い腸への圧力により、一気に腸の内容物が水と共に出てくるのですが、その場でそのまま出すのは無理なことが殆ど。
せめてトイレを探し、行くまでの数分間は何とかしたい。
こういう場合に、自分の意思で動かせる肛門周囲の筋肉に、意識的に力を入れて肛門をふさぎます。
この筋肉は手足の筋肉と同じ種類のものなので、意思により力を入れることができる代わりに、長く入れていると疲れてきます。
一方、括約筋は
生きている限り、力が入り続けている。
しかし、力を入れている意識も、力を入れている疲労感も感じられない。
排尿しよう、と意識すると力が入るのではなく、緩む。
下痢など、緊急的に排泄したいときには、本人の意思と関係なく緩むことがある。
要するに、本人の意思とほぼ関係ない神経回路により、基本的に力が入り続けている。
という仕組みの筋肉です。
ちょっと変な話になりますが、先ほども書いたように、死ぬと括約筋はゆるみますので、
尿道はただの管となり、肛門も直腸と直結したただの管になります。
従って、大小便が勝手に流れ出てくることになります。
ただ、人間は死んだ場合、十中八九横になりますので、その被害が最小限にとどめられることになりますが、特殊な状況下、垂直状態で亡くなると、全て流れ出てきてしまいます。
さて、話を戻すと、以上の様に基本的に自分の意思ではなく、体の自動的な神経コントロール下にある括約筋ですが、この神経コントロールが何らかの理由で乱れると、誤作動を起こし、勝手に弛緩、尿が漏れだしてしまうことになります。
大便も同じですが、こちらは固形物なので、尿に比べると括約筋の誤作動により勝手に出てきてしまうことは遙かに少なくなります。
誤作動を起こす理由は、
強い恐怖など、強い感情を受け、神経がパニックになる
強い振動や衝撃が加わる
薬物やお酒の作用
などで、自動コントロール神経がおかしくなることにより起こります。
強い恐怖を感じた時や、事故などで失禁してしまうのはこういう理由です。
その他もう一つが、括約筋をコントロールしている神経回路の故障です。
加齢もありますが、大きな要因は、腰椎(腰の骨)や、仙骨(おしりの上の骨)のズレです。
括約筋をコントロールしている神経は、腰の骨下部、仙骨の周辺から出て複雑に張り巡らされています。
以下の写真を見ても、この部位への神経が複雑であることと、腰椎、仙骨から出ていることが何となくおわかり頂けるかと思います。
従って、腰骨、仙骨に狂いが生じると、不必要にこれらの神経を圧迫、誤作動を起こすことがあります。
PC作業をする人が増えてから、座りっぱなしの人が増えた結果、このあたりへの負担が増え、歪みを持っている人が増えました。
その結果、尿が勝手に漏れだしてしまうまでではないものの、括約筋が正しく動作しなくなり、尿道を締め付ける力が低下、クシャミやなど下腹部に力が瞬間的に入るような動作をすると、膀胱の圧力に括約筋が負けて尿が漏れ出します。
これらの歪みはもちろん、腰痛、肩こりや、足のむくみの原因となりますので、尿漏れを起こしやすい人にはこれらの症状が併発することになります。
腰痛、肩こりがあり、尿漏れがある人は、腰痛の改善施術を行うことにより、自動的に尿漏れも改善することが殆どです。
昔は加齢による腰骨の歪みや、加齢による神経機構の弱化、括約筋の筋力低下により起こる尿漏れが主な要因だったため、高齢者の症状のように思われていましたが、上述のように、パソコンによるオフィスワークを主に若い女性が担うようになってから、尿漏れの若年齢化が進んでいます。
これらの症状改善にはその他、括約筋やその周辺の筋肉の筋力を上げる、という方法があり、様々な体操が生み出されています。
これももちろん、一定の効果はあります。
しかし、神経自体の機能が低下しているケースでは根本的な解決にはなりません。
この場合、腰椎周辺のズレを治してから、それでも続くようなら更に筋力アップを図る方が順序としては正解かと思います。
最後に、男性より女性に多い理由をまだ書いていませんでしたが、これは単純に尿管の長さの違いです。
女性は男性に比べ、尿管の長さが半分以下しかありませんので、少量漏れても、そのままダイレクトに体外に尿が出てきてしまうのです。
生活に重大な支障がないとはいえ、大変不愉快な尿漏れ。
腰部や肩の症状と共に一気にカタをつけるには、投薬でも体操でもなく、骨盤と腰椎の調整が必要です。
ご予約はホームページから
大量ではありませんが、その不愉快さは容易に想像できます。b
一昔前は高齢女性特有の症状というイメージがありましたが、最近は若い女性にも増えています。
私の所には、肩こり、腰痛などの症状で来られた方が初めての問診時に
「尿漏れを改善したい」
という申し出は殆ど無いのですが、施術が進むと
「実は尿漏れがあったのですが、なくなりました」
という方が少なからず居られます。
これは、
腰痛、肩こりへの施術で、尿漏れが治ると思っていない。
そもそも整体で尿漏れが治ると思っていない(期待していない)。
改善しに来た肩こり腰痛とはあまり関係なさそうだし、恥ずかしいのでとりあえず黙っている。
という様な理由だと思います。
しかし、尿漏れは腰痛、肩こりと関係があります(全くこれらが無いのに、尿漏れだけが起こるケースの方が少ないかもしれません)。
従って、腰痛等が改善すると、結果的に尿漏れが解消することが殆どです。
何故関係があるのか、そしてそもそも何故女性に多いのか、などについて以下に記したいと思います。
尿が膀胱に溜まり、それが尿道から出てくるのは皆さんご存じかと思います。
形は膀胱という袋の先に管がついているイメージです。
管が文字通り尿管です。
もちろん、この尿管が普段閉じているので、腎臓から随時送られてくる尿は、そのまま流れ出ることなく膀胱に溜まっていきます。
尿管が閉じているのは、体の肉や脂肪で狭められているからではなく、
括約筋(かつやくきん)というリング状の筋肉がその周囲を取り囲み、キュッと締め上げているからなのですが、
この括約筋が変わった筋肉なのです。
普通、我々が筋肉というと、腕や背中、足の筋肉を思い浮かべると思います。
これらは普段はフニャフニャですが(弛緩状態)ですが、力を入れると固く、短くなります。
しかし、括約筋はその逆で、普段からずっと力が入っており、意識したときだけ緩めることができます。
手足の筋肉に力を入れるにはそれなりの気合いが必要ですし、ずっと力を入れていると「頑張っている感」を感じ続け、疲れてしまいます。
しかし、括約筋は「縮まっていることが基本状態」の筋肉ですので、ずっと力が入っていても、我々の脳には手足の筋肉のような「頑張っている感」が感じられません。
どこにも力を入れず、リラックスして大の字に寝ている時でも、括約筋は締まっています。
力を入れていると感じられないだけで、いついかなる時も基本的に力が入った状態なのです。
この「力を入れているのを感じない」のは内臓の筋肉全体に言えることで(内臓、特に消化器は筋肉の塊です)、これらは自分で動かすことはできませんし、活発に動いている時でも、我々にはその動きが手足の筋肉のようには感じられません。
長期にわたり食べ過ぎたりすると、全体的な疲労感として現れてきますが、手足の筋肉のようなダイレクトな疲労感は感じない筈です。
また、同じことは常に動き続けている究極の筋肉である心臓にも同じことが言えます。
あまりハードな動きをすると、いかにも動いている感じがしますが、循環器全体に負担を感じるだけで、よほどの不健康状態で無い限り、心臓の筋肉の動きそのものが苦しいという感じはしません。
そして、安静にしている時は基本的に何も感じませんが、心臓はしっかり収縮したり、弛緩したりを繰り返しています。
相当な力で収縮しているのですが、普通にしている限り、我々には激しい筋収縮が体内で起こっていることは感じられません。
括約筋はこれらと同じで、締まっていることが我々には特に感じられませんが、一生の間基本的に締まり続けています。
弛緩するのは、排尿するために意識したときと、死んだときです。
強い便意を感じたとき、我々はおしりに力を入れたりして我慢しますが、これはずっと力の入っている括約筋とは別の筋肉です。
例えば、下痢の場合を考えてみましょう。色々パターンはありますが、主な下痢は体内に入った毒素を体が速やかに排出しようとする行動です。
毒が腸から吸収されないように、大量の水とともに急いで外に出してしまいます。
その時は、直腸が収縮して強い排出圧をかけると共に、肛門にある括約筋が弛緩します。
これは緊急事態なので、本人の意思に関係なく、オートマチックに行われます。
そのままですと、強い腸への圧力により、一気に腸の内容物が水と共に出てくるのですが、その場でそのまま出すのは無理なことが殆ど。
せめてトイレを探し、行くまでの数分間は何とかしたい。
こういう場合に、自分の意思で動かせる肛門周囲の筋肉に、意識的に力を入れて肛門をふさぎます。
この筋肉は手足の筋肉と同じ種類のものなので、意思により力を入れることができる代わりに、長く入れていると疲れてきます。
一方、括約筋は
生きている限り、力が入り続けている。
しかし、力を入れている意識も、力を入れている疲労感も感じられない。
排尿しよう、と意識すると力が入るのではなく、緩む。
下痢など、緊急的に排泄したいときには、本人の意思と関係なく緩むことがある。
要するに、本人の意思とほぼ関係ない神経回路により、基本的に力が入り続けている。
という仕組みの筋肉です。
ちょっと変な話になりますが、先ほども書いたように、死ぬと括約筋はゆるみますので、
尿道はただの管となり、肛門も直腸と直結したただの管になります。
従って、大小便が勝手に流れ出てくることになります。
ただ、人間は死んだ場合、十中八九横になりますので、その被害が最小限にとどめられることになりますが、特殊な状況下、垂直状態で亡くなると、全て流れ出てきてしまいます。
さて、話を戻すと、以上の様に基本的に自分の意思ではなく、体の自動的な神経コントロール下にある括約筋ですが、この神経コントロールが何らかの理由で乱れると、誤作動を起こし、勝手に弛緩、尿が漏れだしてしまうことになります。
大便も同じですが、こちらは固形物なので、尿に比べると括約筋の誤作動により勝手に出てきてしまうことは遙かに少なくなります。
誤作動を起こす理由は、
強い恐怖など、強い感情を受け、神経がパニックになる
強い振動や衝撃が加わる
薬物やお酒の作用
などで、自動コントロール神経がおかしくなることにより起こります。
強い恐怖を感じた時や、事故などで失禁してしまうのはこういう理由です。
その他もう一つが、括約筋をコントロールしている神経回路の故障です。
加齢もありますが、大きな要因は、腰椎(腰の骨)や、仙骨(おしりの上の骨)のズレです。
括約筋をコントロールしている神経は、腰の骨下部、仙骨の周辺から出て複雑に張り巡らされています。
以下の写真を見ても、この部位への神経が複雑であることと、腰椎、仙骨から出ていることが何となくおわかり頂けるかと思います。
従って、腰骨、仙骨に狂いが生じると、不必要にこれらの神経を圧迫、誤作動を起こすことがあります。
PC作業をする人が増えてから、座りっぱなしの人が増えた結果、このあたりへの負担が増え、歪みを持っている人が増えました。
その結果、尿が勝手に漏れだしてしまうまでではないものの、括約筋が正しく動作しなくなり、尿道を締め付ける力が低下、クシャミやなど下腹部に力が瞬間的に入るような動作をすると、膀胱の圧力に括約筋が負けて尿が漏れ出します。
これらの歪みはもちろん、腰痛、肩こりや、足のむくみの原因となりますので、尿漏れを起こしやすい人にはこれらの症状が併発することになります。
腰痛、肩こりがあり、尿漏れがある人は、腰痛の改善施術を行うことにより、自動的に尿漏れも改善することが殆どです。
昔は加齢による腰骨の歪みや、加齢による神経機構の弱化、括約筋の筋力低下により起こる尿漏れが主な要因だったため、高齢者の症状のように思われていましたが、上述のように、パソコンによるオフィスワークを主に若い女性が担うようになってから、尿漏れの若年齢化が進んでいます。
これらの症状改善にはその他、括約筋やその周辺の筋肉の筋力を上げる、という方法があり、様々な体操が生み出されています。
これももちろん、一定の効果はあります。
しかし、神経自体の機能が低下しているケースでは根本的な解決にはなりません。
この場合、腰椎周辺のズレを治してから、それでも続くようなら更に筋力アップを図る方が順序としては正解かと思います。
最後に、男性より女性に多い理由をまだ書いていませんでしたが、これは単純に尿管の長さの違いです。
女性は男性に比べ、尿管の長さが半分以下しかありませんので、少量漏れても、そのままダイレクトに体外に尿が出てきてしまうのです。
生活に重大な支障がないとはいえ、大変不愉快な尿漏れ。
腰部や肩の症状と共に一気にカタをつけるには、投薬でも体操でもなく、骨盤と腰椎の調整が必要です。
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