難病対策の例~~頭痛と幻視のある小学生の例

難病対策の例~~頭痛と幻視のある小学生の例~~頭蓋仙骨療法の限界


小学生女子。

物心ついたときから、何か余計なものが見える。

例えば、父親とオセロをやろうとして盤面を見たら、盤面一杯に、
タランチュラみたいな大蜘蛛が貼り付いていて、悲鳴を上げる。

教科書を開いたら、鬼のような顔が現れてにらまれ、大声を出しそうになる。等々。

こんな感じで時と場所を選ばす、怖いものが注視した先に現れる。

出現するのは必ず怖いもので、可愛い子猫とか、イケメンなど、

見て心が和んだり、積極的に次も見たい、というようなものは出現しない。

100%出てくるのは夜寝る時。

天井を見ると、必ず顔が見えるので、寝るときは布団を被って寝るのが基本。

その他、激しい頭痛と、閃輝暗点が頻発。

このセットは偏頭痛の典型症状だ。

頭痛が激しく、学校に行けないこともしばしば。

前述の幻視もあり、学校生活を皆と足並みを揃え、日々粛々とこなして行くのは難しい状況だった。

この子の場合、東京郊外在住なのだが、たまたま近所にクラニオ・セイクラルを行っている人がいて、この人に月1回くらいのペースで二年ほど施術してもらい、相当な改善(体感的に幻覚、頭痛ともに三分の一くらい)をして、日常生活はなんとか送れるとほっとしてはいる日々。

しかし、改善に足踏み感が出てきた。

お母さんは前から来ていた。

遠方なので子どもとはなかなか来られなかったが、長期休みを利用して来院。

お母さんと二人連続で施術という形で施術、一回で幻覚、頭痛ともに殆ど消えてしまい、
非常に喜んでもらった。

ゼロにはなっていないが、幻覚、頭痛ともに8~9割減で、日常生活に支障はほぼなくなったようだ。

☆☆見立てと、施術☆☆


頭蓋骨の話以前に、骨盤の歪みがあり、これが原因でクラニオ・セイクラルリズム(=頭蓋仙骨療法で重要視する体の根源的なリズム)が弱かった。

仙骨、骨盤が著しく歪んでいたので、これを矯正したところ、クラニオ・セイクラルリズムが強くなってきたので、これを頭蓋からアプローチして強くしていった。

以前受けた頭蓋仙骨療法は効果はあったようだが、
そこでは純粋に頭への施術しか行わなかったそうだ。

頭蓋仙骨療法を行っている人は、
骨盤や全身は触らず、ただ頭蓋骨しか触らない。

頭蓋仙骨療法という1つのテクニックしか行わない傾向があるから、
自ずとこういう限界は生じると思った。

2年間、月に1度施術をしたとは思えないほど悪い状態だったが、
薬を使わずに、頭痛や幻覚といった効果を和らげるのは頭蓋仙骨療法しかないといっていい状況なので、
この親子にはそれでも有りがたい存在だったには違いない。

常々クラニオ・セイクラルをやる人は、最低限、骨盤や腰椎、頸椎を整える施術もすればいいのに、と思うのだが、骨を整えるテクニックは難しいといって手を出さない人が殆どだ。

何か人に出来ない不思議的、スピリチュアル的なことをすることに喜びを見いだして、そこで止まってしまっている人が多く、とにかく何でも勉強してやろう、やれるだけやってみよう、と体まで手を出したり、医療系国家免許まで取る人は少数で、あくまでもクラニオ・セイクラルテクニックの範疇でだけしかやれることをやらない傾向がある。

一方、背骨や骨盤を施術している人は、触っているだけで本来動かないとされる頭蓋骨の縫合を整えたり、呼吸以外のリズムを捉えるというクラニオ・セイクラルを、非常に特殊なモノと考えたり、整体師であっても未だにインチキや、出来るわけがないトンでも施術だと思っている人も多く、
体への施術を、頭蓋仙骨療法の両方が揃わないことが殆どであるのがとても残念だ。

それはさておき、この子に言わせると、私の方が近所の先生よりずっと触る圧が弱いそうだ。

話を聞いて判断するに、ちょっとヘッドマッサージに近いノリがあるようだ。ぐりぐり実際に動かすと効果は半減するので、クラニオ・セイクラルを行う場合は、本当に触れているだけにしなければならない。

触れているだけでも、受けている側は、大変なアクションを感じる。

骨盤が整い、仙骨まで緩まっていると特に。それがクラニオ・セイクラルの面白さだ。

書き忘れたが、もちろん、邪気というか、負のエネルギーもしっかりあるので、せっせと除去した。
もしかしたら、頭蓋仙骨療法よりそっちの方が効いているのかもしれない。

☆☆追記☆☆


子供が怖い者が見える、と言っても真面目に取り合わない親御さんも多いと思います。

霊感商法などがあり(実際は今は殆どないと思います。もっと怖いのは振り込め詐欺系)、

「こういのはインチキ」
「危ない宗教」

と頭から決めてかかっている人もいるでしょう。

いわゆる「霊現象」なのか、霊がいるのかいないのか、という議論はともかく、
「怖いものが見えてしまう」という人は少なからず居て、
それは見える人にとっては現実です。

親が理解してくれないと、子供は本当に、心底悩んだり、自己否定しなければならず、
信じていない親が(大人が)

「そんなことあるわけない」

と笑い飛ばせるほど簡単な話ではありません。

子供の頃、こういう体験をして困ったという人を私は沢山知っていますが、
何に困ったかというと、
怖い物の存在そのものへの恐怖はもちろんですが、
それよりも

「誰にも理解してもらえない。とりわけ、親に全否定される」

ということに一番困ったと皆さん口をそろえておっしゃいます。

化け物が出るなんて俺は信じないぜ、と簡単に口に出しますが、

子供が「お化けが見えて怖い」

と言っている場合には、間接的に子供を否定してることにもなるのです。

人間は「おまえのことなんか信じていない」と直接言うことは少ないですし、
気をつけるものですが、

このように、間接的に否定してしまうことはよくあります。気をつけたいものです。

大人になってから「オーラが見える」「霊が見える」「予知が出来る」などと言ってことさらに人の気を惹こうとする人が居ます。
こういうのは私は人の気を惹きたいだけで、8割方嘘だと思っていますし、本人が喜んで触れ回っているわけですから、放っておけばいいと思います。

しかし、子供がこんな嘘をついて面白がるわけがありません。

体の不調には、医学では計り知れない様々なことが絡んでいます。

私のことも「怪しい」と笑い飛ばすのは簡単ですし、笑い飛ばせる幸せな人は笑い飛ばせばいいでしょう。
しかし、私は自分の前に現れる患者さんの苦痛を取ることに腐心してきた結果、このような世界にも対応するようになりました。

怪しい世界が好きだからやっているわけではなく、必要に迫られてやっているわけです。
困っている人は山ほどいます。

目に見えない世界=怪しい・危ない

という絵に描いたようなステレオタイプはもう時代遅れでしょう。

あなたの身の回りの人、とりわせ大切な肉親や子供が真剣に悩んでいる場合は、

あなたの固い思考を取り去る為に与えられた機会かもしれないと捉え、別に当院に来なくても構いませんので何らかの具体的な対策を取ってみて下さい。


注・こういう難しい症状はケースバイケースで対応する以外どうしようもなく、次に似たような子が来ても、多分施術は違うものになると思います。

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