放心コースと再生コースの比率は?施術に「時間をかけること」の有用性

長い90分の放心コースと、実施術時間45分程度の再生コースがあります。

お客さんの割合はどのくらいですか?
と時々聞かれますが、先月は放心コースのお客さんが7割を越えました。
毎月大体放心コースが6割~7割程度です。

当所は再生コースをメインと考えていました。
実際放心コース希望は2割くらいだったのですが年々増えて、月によっては8割に迫ることもあります。

私は特に放心コースを薦めている訳ではないのですが、リピーターに限って言えば8割以上が放心コースです。

施術は短く、効果は高い方がお客様にもいいし、施術者の体への負担や収入効率を考えてもこの方がいいと一般的には考えられます。

確かにこれは私も否定しません。
自分が患者ならパッと瞬間的に効果が出て、瞬間的に治る。
はい、いいですよ、と五分ほどで全部終わり。
有りがたいですよね。

しかし、一方でマッサージなど、15分じゃものたらない。45分か、できれば一時間以上やってもらいたいな、と思ったりします。

温泉も効果があるから日帰りで十分、という温泉があったとしても、できれば一泊してお酒飲んだりしたい。
もっと言えば3日、いや、一週間ほど滞在してダラダラしたい。

人間には「治療効率至上主義」では語れないものがあって、癒しの要素が増えるほど時間が重要視されていく傾向があると思います。

西洋医学では基本的に効率が求められますので、数分で効果が出ないと「有用ではない」と判断されたりしますが、時間あたりの効率を求める、というベースそのものを見直して捉える必要がある場合もあると思います。

全ての人が瞬間的に改善することばかりを至上のこととして欲しているのではなく、動物として、たまにはダラダラしたい。それにはどうしてもある程度の時間が必要であるのだろう。

そんな訳で、当院の放心コースも人気なんじゃないかと思います。
前半は体の痛みや動きの障害を取ります。こういうことへの対処は実は結構早く、主訴の殆どが15分~30分で取れることは珍しくありません。

しかし、放心コースをとる人は、主訴が取れたからいいや、とはならずにそのあと、じっくりと展開される内臓、頭蓋、頚椎といった重要部位へとゆっくり、じっくりと施される施術により、浮遊するような瞑想状態に入り、とろけるような感覚を味わったり、様々なビジョンを見たり、音を聞いたり、光を見たりしながら癒されていきます。

これが皆さん楽しみなんだなぁと思います。
これらのリラクゼーションは、全体を整え、ストレスを解放し、健康状態を長く維持させるのに役立ちます。

いきなり施術してもまあまあ悪くないですが、体の歪みや痛みを一通り取ってから行うと非常に効果的です。

この「忙しい」とされる現代で、90分という時間をかけた施術が喜ばれる。
マッサージ系の同業者に聞くと、マッサージでは二時間コースも凄く人気があるとのこと。これらのことと、先に書いたように温泉はなぜ日帰りじゃなくて一泊したいか?
さらには一泊じゃなくてなるべくなら連泊したいのか?

を併せて考えてみると、そこには、治癒と時間の計算・効率では計り知れない人間の動物としての根本的な欲求が込められていると思います。

よりよい「総合的な」癒しを考えていくにあたり、重要なヒントもあると思っています。

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