前回、前頭直筋が、頸椎の一番と頭蓋骨を前側で繋ぎ、頭を頷かせたりする重要な筋肉であることを書いた。 重要な割には小さく、そして深い所にあるため、触ることも、想像されることも殆ど無いこの筋肉が首の凝りのみならず、全身の調子を整える鍵を握っていることが少なくない。 さて、この筋肉がカチカチになると、上に向こうと、首の後ろ側の筋肉が頑張って縮んでも、あまり上を向くことが出来なくなる。 上に向くとき、頸椎一番と頭蓋骨が柔軟に動かない場合、首全体が後ろにしなって上を向くことになる。結果的に上を向けるのだが、これは「代償行為」と言われて、正式な動きではない。 首を垂直に立てたまま上を向くことが出来ない人は、前頭直筋が硬く、縮んでいる可能性がある。 筋肉は、硬くなるとだいたい縮む。そして太くなる。 硬い=縮んでいる=太い この三点はほぼ間違いなくセットである。 だから、前頭直筋が硬くなっている人は、正常時より前頭直筋が短くなっているわけで、下手をすると、勝手に頭部が下向きになってしまう。 これを防ぐ為に、首の後ろの筋肉は常に力を入れ続けていなければならなくなり、いつかこの筋肉も硬くなっていく、という悪循環が発生しがちだ。 このように、一個の重要な筋肉がダメージを負うことがきっかけとなり、周囲の筋肉が全体的にダメージを負ってしまうことは多々ある。 前頭直筋は頭の前後の動きだけ無く、左右の動きも担っているので、左右に回転させる他の筋肉にもダメージが及んでいき、かくして、気がつくと、喉仏から上の筋肉が前後左右硬く、張りが出て、不愉快感が出て来る。 首の後ろだけでは無く、顎の後ろ、顎の下、喉仏の上部などがくまなく腫れたような感じになっている人は沢山居る。 上記したように、筋肉はダメージを負うと、硬く、短く、太くなるからだ。 美容上も非常に好ましくなく、この状態ではいくらリンパマッサージなどしても、焼け石に水。お金の無駄である。 さて、この辺りの筋肉が硬く、膨らむと、この付近を通っている血管、神経が圧迫されて全身に様々な症状が出る。 全身のコントロールをしている脳と、体を繋ぐ最重要経路が詰まるので、これは大変だ。何しろ、脳と体を繋ぐ神経と血管は全てこの狭い所をに集約されてきて、ここを通過するからだ。海で言うと、まさに海峡。 とはいえ、大多数の神経は脊髄にカバーされた中を通るし、血管も骨で保...