一周回って見かけだけ良い状態になる危険性
仕事が忙しい時に、プライベートでも様々な面倒が重なることがあります。
毎日起きて、仕事して、寝るだけ。
日中は次々起こる難題にずっと気が張っているのに、睡眠時間が足らない上によく眠れない⋯
もうダメ⋯
と思って何とかやり過ごしているうちに、
「いやいや、こんなことではダメだ。
倒れてしまっては元も子もない。
気合を入れ直さないと。
疲れはジム通いで体力つけてあとは気合だ!」
と気持ちを入れ替え、既に忙しい合間を縫ってジムに行ったりランニングしたり。
気合!気合!
そうこうしているうちに、調子が良くなってきた経験、ありますよね。
しかし本当に調子が良くなった人は少なく、ほとんどの人が
「体力、気力共に既に限界を越え、体の感覚がおかしくなってしまっている」
のです。
人間は忙しいからといって、限界を越えたら一発で即倒れて寝たきりになったり、死んでしまったりすることは殆どありません。
限界はかならず何段階かあります。
一度限界を迎えても頑張っているうちに割と平気になってきます。
1、忙しくしていると、限界が来る。
↓
2、気合いで越える
↓
3、平気になる。
↓
4、更に忙しくする
こんなサイクルです。
これを三回くらいまで繰り返せるようになっています。
しかし、そうしているうちに突然取り返しのつかない痛みや、重篤な症状を発症して倒れてしまう人が結構いらっしゃいます。
一度平気になるのは、強くなったのではなく、大体において
「限界を突破する度に感覚がどんどん麻痺してきている」
のです。
そして、面白いのは、限界に達していた時には硬くなり、歪んでいた身体も、乗り越えてしまうと面白いことに一見何事もないかのような良好な状態に戻ることです。
良好になりますので、倒れる寸前の方の体は本当に、どこからどう見ても良好になります。
私は施術前に全身をチェックしますが、その時、体の柔軟性はもちろん良好、肩コリ首コリゼロ、骨盤もバッチリ揃っています。
完璧なまでに
「全く異常がなくなる」
のです。
あまりにも良好な状態は、もちろん、本当に良好な状態を表しているのであれば喜ばしいことなのですが、限界を突破してしまった体と精神が表向き
「平静を装っている」
場合も多々あり、この場合は非常にやっかいです。
問診をしたり、その方のエネルギー状態を診て限界を突破した良好さなのか、本当に良好なのかを判断します。
本来物凄く悪いはずなのに、体が凄く良好な場合を、私は
「一周回った状態」
と呼んでいるのですが、この状態では良好な仮面の奥に深い深い疲れが潜んでいるのです。
この仮面状態を見て
「非常に良好ですよ。問題ありません」
と判断してしまうと、本当に取り返しのつかない状態に患者さんを追い込むことになりかねないのです。
私はこの仮面を剥ぐのが得意でして、数秒で剥ぐことができます。
エネルギー的な施術を施すのですが、
そうすると瞬時に、限界を突破する前の状態になります。
肩や首はパンパン、骨盤は歪み、ふくらはぎも張って、体から柔軟性が失われます。
患者さんは瞬時に体が重くなったことが体感できますので
「あっ!」
と声をあげる人もいます。
この歪んだ状態が現在の体の状態を表す、本来の姿ですので、ここで骨盤のズレや腰椎、頚椎などの歪みをチェックしてどう治して行くか考えます。
これは私自身、教員をしている時に陥りました。
自分では元気な気がするが、奥底にある疲れが取れない感じの時に、お世話になっていた(今でもなっていますが)高田馬場にある整体院でこの診立てをしてもらい、非常に驚いたことがあります。
余りにも忙しいと人間は
「何事もないかのように取り繕う」
能力があります。
ただ、これは
「一時的に押された非常ボタンにより捻出されたエネルギー」
によるものなので、エネルギーは割とすぐに枯渇します。
枯渇してしまうと、前よりももっと悪い状態になるので、
物凄く忙しかったが、今は平気になっている人は、その平気さが回復によるものなのか、
「一周回った状態」によりもたらされたものなのか、慎重に見極める必要があります。