受験整体。学生の体調不良への間違った思い込みについて。



新学期が始まってしまうと、
教員の仕事に追われてなかなか改訂ができませんが、
今回は教員関係のトピック。

学生の体の歪みについて書こうと思います。
先日ネットでみつけた記事です。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170517-00010003-nishinpc-soci

その日その日の教科書、教材を全て持ち帰らせる学校が多く、
結果的に生徒の荷物がとんでもない重さになっているという記事。

教員としての立場は置いておいて、個人としては

教科書持って帰れば勉強する。
持って帰らなければ勉強しない。
よって持って帰らせれば安心。

という発想は単純すぎると思う。
自分自身が教科書で勉強した記憶があまりないので余計にそう思います。

教科書持ち帰りの是非から本格的に議論していると紙幅が足らないので、カバンの重さに戻りますが、

生徒の鞄は本当にとんでもない重さです。
これは
若者=丈夫
若者=体が歪まない。泣きごとを言うのは我慢が足らないから。

という思い込みから来ている面が大きいでしょう。

記事にもあるように、むしろ「重い荷物を持って歩くと体が鍛えられる」と思っている大人も多いようです。
しかし、「鍛えられる」というような一昔前の偏った意見であっても、意見を持っているだけましで、

大多数の教員や大人はこの手の問題について深く考えたことすらないのではないでしょうか。

政治についても無関心と無知が最大の問題だと言われるように
無知と無関心は憂慮すべきことで、こういう記事が出てくることによって関心を持ったり、考えたりする人が増えることがまず重要。このブログも一助になればと思います。 

僕も昔は専任教員だったにもかかわらず、あまり考えたことがなかったので
人のことは非難できないのですが、
整体の仕事をして多数の学生を診るようになり、考え方が全く変わってしまいました。
30代、40代の人で、10代で腰痛、肩こりが始まり、そのままでずっと来ているという人も多くいます。
若いうちにちゃんとケアしないとその後の人生で辛いことが多く、クオリティ・オブ・ライフの低下は免れません。
教員と整体師としているという、
全国に多分10人くらいしかいないだろう(調査したことがないので推定(笑))立場上、
きちんとアピールしてゆくべき課題と思って居ます。

学生で骨盤の歪みからくる
肩こり、腰痛、首凝り、眼精疲労を持っている子はざらにいます。

しかし、何故あまり問題にならないかというと

上に書いたような

若者は体が頑強である。疲れは寝れば治る。

という思い込みにより、黙殺されてしまうからでしょう。

これは大人が聞く耳や知識を持たないというのが最大の要因ですが、

学生も人生経験が少ないので「自分は本当に凝っているのか?歪んでいるのか?」

ということが把握できていないため、

自分の体調不良への確信が持てず、大人に否定されると強く、それ以上訴えるのをやめてしまうからでも有ります。。

人間は体調を良いときと悪いときの落差で感じます。

幸せばかりでは幸せは感じられないとよく言いますが、これは肉体にも言えることで、

落差があって初めて人間は体調を客観的に把握できる面があります。

病気になったり、治ったり、痛くなったり、痛くなくなったりする経験を通して

自分の肉体の感覚を獲得し、どのような状態が正常かを「学習」してゆきます。

肩や首が激痛、というわけではないが痛い。

目がしょぼしょぼする。集中力が出ない。やる気が出ない。

そんなときふと

「肩こりかも知れない。体がおかしいのかも」

と訴えても

「サボりたいだけで言い訳だろう」

「気合いが足らない」

というようなことを体の歪みへの理解が足らない大人から、当たり前のことのように言われると

子供は大人が思うよりは遙かに素直なので

「やっぱり自分がいけないのか」

と思ってしまいます。

頭ごなしに子供をしかったり、決めつけるのはいけないと言われるので

そうしないように注意している人も多いと思いますが

10代でも体の歪みが発生することを知らない人は、自分には悪気はなくても、

結果的に頭ごなしに否定する人と同じ結果を生んでしまうのです。

まず、体のゆがみは小学生から十分に発生する可能性があるということを理解して下さい。

しかし悲劇はもう一段階有ります。

「お医者さんに行ってみなさい」

と医者にかからせる親御さんも多いと思います。これはもちろん、まっとうな判断です。

とりあえず、医師にチェックしてもらうのはとても重要ですので、まずチェックしてもらいましょう。

しかし、現状では整形外科では、

骨盤や腰骨の歪みから肩こりや首凝りが発生するという概念がありません。

また、我々が問題にするような歪みはミリ単位で、これを触って捉えていくのですが、

レントゲンやCTなど目視が中心の西洋医学的チェックではこれらの歪みはとらえられず、

私からすると酷いな、と思うような歪みがあっても

「異常なし」

という判断が下されます。

よって、大人であってもそうなのですが、肩こりや首凝り、首の痛みなどで整形外科に行っても

結局特に異常はないので、湿布と、あんまり痛いならロキソニン飲んで様子を見ましょう、
ということになってしまいます。

もちろん、これは対処療法で根本的な解決にはならず、痛みは何度もぶり返します。

このような状況ですので、せっかく医者に行っても原因も分からず、治らないことが多い。

そうなると

「ほらみろ、やっぱり気のせいじゃないか」

「若いからそのうち治るよ」

とか、酷い場合には

「昔からやる気がないから。やる気がないのが体に出てるんだよ。いやいや病だな」

なんて言われてしまい、こうなると学生本人も

「医者も異常がないと言うし、確かに気のせいかも。

誰であっても体はこんな感じらしい。

苦痛は気力で乗り越えるしかないな」

と自分を追い込みます。その忍耐深さはもちろん個人によりますが、

大変なもので、マッサージに行って一時的にでも解放されることを知ってしまった

OLやサラリーマンなら三日と持たないで悲鳴をあげるであろう状態でも

けなげに丸一日教室の堅い椅子に座って勉強したり、

習い事に行ったり、塾に行ったり、部活したりしています。

可哀想であるだけでなく、勉強やスポーツなどで結果を残すことも難しいでしょう。

本人が不調(内臓を含む)、痛みを訴え、医者に行っても

「様子を見ましょう」
「若いときは自律神経が不安定ですから」
「若いと精神的にも不安定なので、不調に思うんでしょう」
「若いと色々ありますからね」

というような曖昧な結論に達している場合は、体の歪みを疑ってみて下さい。

もちろん、これは全て「加齢ですね」と言われてしまっているお年寄りにも該当します。

西洋医学は素晴らしい発展を遂げ、もちろん私も頼ることが多いのです。

東洋医学や、自然療法などを好む人がとにかく西洋医学は駄目だ、

とやたらと主張するのはおかしいと常々思っていますが、

西洋医学が見逃している点も多々ありますし、細部を穿ちすぎて全体が見えなくなっている傾向もあります。

しかし「相当発展しきったのではないか」という現代を覆う科学への信頼感、発展への自負感が

まだまだ検知しきれない疾病状態があるという事実を素直に認めることを

医師、患者共々から奪っているのも間違いありません。

もちろん、学生や受験生への整体的観点からの警鐘を鳴らすことにより、

本人や親の不安感を不用意に煽ってマーケットの掘り出しをしているのではありません。

自分が専門としている分野で起こっていること、

現実にあるが一般に知られず、多くの人が不利益を被っていることを

広く正しく知ってもらいたいと思いるだけです。



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