鯛の鳴戸骨
大阪での修行時代に鳴門や明石産の本当に美味しい鯛を知った。
本当に美味しい鯛はいくら築地とはいえ手に入らないから鯛は東京では扱いたくない。
というようなことを言っていた。
その「美味しい鯛」の特徴は、
尾部の骨の下部にコブがあること
だそうだ。
ここにコブのある鯛は急流に揉まれて身が素晴らしく締まっているとのたまう。
ところでこの部位の骨だが、大きな鯛は基本的に3枚おろして提供されるので一匹買いでもしない限り案外見ることはない。
たまたまぶつ切りで売られた鯛を買ってきて、ラッキーなことに目にすることが出来た。
この骨は鳴門骨ともいって、古い文献にもこの通り。
「福玉。口の中にあり」
とあるのは、実はタイの口に住まう寄生虫。
大きくて、口の中一杯になる。
福玉という名前とはうらはらに、これが付くと鯛は餌を食べにくくなって痩せる。
そのうえ、食べようと思って捌いた人は気持ち悪さに腰を抜かすことになる。
初めて見たとき死ぬかとおもった。
知らないで、兜煮とかにして、食卓で発見されてしまったら食卓はパニックになるだろう。
必ずチェックした方がいいです!
まあ、天然の証なんですけどね。
勇気のある人は「タイノエ(鯛の餌)」で検索。