施術例2 顔面痙攣とボツリヌス菌

補注・この施術から6年たった2018年11月現在、再発はありません。

7月末は、大阪、香川と施術行脚をして帰京したのであるが、

戻って実家に行ってみると母親が浮かぬ顔である。

出かける前から左目の下が痙攣する、と言っていたのだが、

僕はあまり大したことではないと放っておいた。

しかし、余りにも鬱陶しいので病院に行ったところ、

基本的に直らない病気であり、ボツリヌス菌を打ちながら様子を見ていくしかない、

と言われた、ということで、パンフレットを見ながら気落ちしている。



これがそのパンフレットだ。このようなモノを作るのであるから、相当患者数は多いのだろう

と調べてみると、やはり4万人ほどいるらしい。


中には、高齢の女性に多いとある。
更に、下が光っていてやや見えにくいのであるが

自然治癒はない」と明記してある。

そして治療方法は、ほぼ唯一、ボツリヌス菌の注射、と最後に書いてある。

皺取りで有名になったこの菌、元は細菌兵器でもある。

筋肉は神経から来た信号をアセチルコリン、という神経伝達物質を介して受け取るのであるが、

アセチルコリンの働きを阻害するのがボツリヌス菌である。

筋肉への信号を化学的に遮断することにより、筋肉を強制的に動かなくするわけだ。

筋肉というと我々が普通手足の動きといった目に見えるものを思い出すが、

呼吸、瞳孔の動き、内臓の働き、呼吸も筋肉による支配であるから、

ボツリヌス菌が体に入ると、目に見える体の動きが悪くなるだけでなく、

呼吸などの体の基本的生命維持機能もはたらかなくなり、死んでしまう。

大量で全身に回るとこのように大変恐ろしい症状を引き起こすが、

痙攣している部分に上手に少量注射すると、痙攣している筋肉がだけが動かなくなる。

そしてあくまで見かけ上だが、筋肉が痙攣しなくなるので治ったように見える。

という発想の治療法だ(根本的な意味で治療と言えるかどうかは疑問だが)。

しかし、量を誤ると、上記のとおり当然ながら相当恐ろしいわけで、

こんな紙も添付されている。


ここにも、四万人の患者がいるとある。

持続は3~4ヶ月。

この間、神経が発する電気信号がボツリヌス菌により筋肉に行かないだけで、

神経が余計な電気信号を発するという誤作動は続いているので

菌が切れると、また痙攣する。


そして、書いてあるように、基本的に兵器に使うような菌なので、

当然かなりの副作用がある。

人様を治すのも素晴しいが、やはり親を放っておくのは、ダメだ。

急いで、施術を試みた。

重要なのは、元々の神経が誤作動して発している信号を止めることであり、

出てしまった信号が筋肉に到達することを阻害することではないのである。

これを主眼に据えて施術方法を組み立てる。

症状は、左目の下の痙攣。

左の歯を抜いたのだが、その後からなったということだ。

目の下と、歯は東洋医学的に、経絡で繋がっている。関係ありだ。

胃も関係あるだろう。

さらに、内臓では肝臓が絡む。

鍼も良さそうだったが、ここは西洋的な内臓手技療法(オステオパシーの一種)

バレルの内臓療法を使用してみることにした。

検査すると、肝臓と、胃の幽門に障害。

まず、これを取る。といっても、いつものように、触っているだけだが

そして、頭蓋がゆがんでいたので、これを矯正。

最後に、ミッドタイド。

ここまで、15分ほど。


この治療方法に自信が有ったわけではないが、

経絡の考えと合わせてやってみた。



結果、直後から痙攣は止まり、四日経った今でも一度も痙攣していない。

丸四日痙攣していないので、一定以上の効果はあったとみて良いだろう。

これで自慢したいわけでもないし、必ず直せるから、

西洋医に行かずに、片っ端からオステオパシーを受ければいい、

と言っている訳でもない。


しかし、これは事実であるし、

ボツリヌス菌を一生の間、三ヶ月に一度打つよりは、可能性として

ありなのではないか?と思うわけで書いてみた。

一つの選択肢に入れることを検討してみて頂けたら幸いであります。

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