運動は何が良い?←☆☆重要☆☆

当院に通院し、元気を取り戻した方の殆どが

「せっかく元気になったので何かをしたい」

と質問してきます。欲の出てくること自体は良いことです。

色々な運度にチャレンジされる方がいますが、人間の体はそんなに無理矢理運動しなくても健康を保てるようになっています。
どんな運動をしたらいいかについて書いておきます。

☆ヨガ☆
 最もよく聞かれるので丁寧に書いておきます。
 とても人気ですが、指導者によって大きなバラつきがあります。
 
 スポーツクラブなどでアルバイト的に講師をしている人の中には、ヨガが単なるストレッチだと思っている人も少なくありません。
 
 単なるストレッチではなく精神性、瞑想を重視したよい指導者を選んで下さい。
 
 私はインドで修行した行者系の人に習ったことがありますが、日本においていわゆるヨガと言われる運動(ポーズを作るもの)は

あくまでも深い瞑想をするための準備運動

であり、その教室での

「いわゆるヨガ」と「瞑想」の比率は五分五分でした。

 運動のヨガも1時間で5ポーズくらいしかしない極めてゆっくりしたもので、じんわり汗はかきますが、きついポーズで体が疲れるようなものではなく、逆にとてもリラックスしていつも時間後半は眠くなって眠くなって仕方がありませんでした。
 このように、リラックスしてから瞑想に入ると深い瞑想状態が得られるわけです。
 瞑想は最近その効果が見直されているように、我々が最も手軽に出来、最も効果的な健康法であると言えます。(そして最も難しいともいえますが)
 本来のヨガは瞑想に照準を向けて行って行く者なのです。

 とにかく難しいポーズを沢山することに達成感を感じたり、ダラダラ汗を出すというのも面白いとは思いますが、それが狙いではありませんし、体を壊します。

 不特定多数の集まるヨガ教室でガンガン、ハードなポーズを要求し、達成感と汗の量を大事にしているような講師にあたると、競争心が芽生え、無理をしてしまいがちです。
 やっていて興奮してくるようなヨガ(というか単なるストレッチ)はやめましょう。
 実際、ヨガをやって無理にポーズをして、私の所に駆け込んでくる人は沢山居ます。
 
 施設と講師選びには十分に気をつけて下さい。
 ストレッチ系講師は肩書きを山のように並べる傾向があります。圧倒的な量の肩書き、取得資格を見るとものすごい人のように感じますが、30歳そこそこで、それだけの量が取れるというのは、逆に考えれば資格自体が軽いことの証拠であるかもしれません。そもそも資格をだしている団体自体がどのようなものなのか謎です。

 それと、ヨガによるズレの恐ろしいところは、変なポーズをして骨をずらすとします。
その場合、ずれはそのポーズに沿ったものになることは理解できると思います。
 
 たとえば、単純化すると、体を右にきつくひねりすぎて、腰の骨が右に回転したまま止まったとします。
 実際、ずれはこういう無理なポーズを取ったときのまま骨がどこかに食い込んだり、周りの組織が緊張して堅くなってしまい、骨が戻らなくなって発生することも多いです(もう一つの大きな理由は事故やスポーツ時の衝撃でずれてしまうこと)。
 
 この場合、骨が右に回転してしまったので、体を正面に戻すと痛みが発生します。
 さて、このとき、この痛みを解消するにはどうすれば良いでしょうか。
 そう。
 また右にひねるのです。

 ずらした時と同じポーズをして骨のズレと、からだの向きを揃えてやれば一時的に痛みは解消します。

 この仕組みを深く考えず

「ヨガを続けているからこそ、自分の痛みは解消できている」

と思い込んでしまう人が居ます。
 
 ヨガをやっているから腰痛が出ない。サボるとすぐ腰痛になるんだよな。ヨガ様々。これからもヨガをやり続けないと。

 という思考回路なのですが、実際は何にもしなくても痛みが出ないのが一番です。
 ヨガを休むと痛くなるというのは、根本的に歪んでいる証拠です。
 何年もそういう理由でヨガを続けている人は
「何年やってもヨガでは根本的に腰痛は改善しないのだ」
 と発想を変えてみる必要があるかもしれません。

ヨガ以前にズレを直さなければなりません。
 
 ずれさえ取れば、あっという間に治ります。

 歪みはヨガで作り出されており、自分で原因を作りながら解消している(解消した錯覚を味わっている)いわゆる「マッチポンプ現象」を起こしているだけかもしれません。
 
 ヨガで単なるストレッチ的な気持ちよさしか味わったことのない人は、是非瞑想と半々できちんと指導してくれる講師を探して教わってみて下さい。素晴らしい体験ができると思います。

☆ジム・筋力トレーニングなど☆ 
 最近どんどん複雑化、高負荷、部位に特化する傾向のあるトレーニングはあまりお勧めしません。
 特に運動をこれから始める方は大体体を壊してしまいますのでゆるやかなものから始めましょう。
 まずしっかり歩き、日常的動作を面倒くさがらずに行うことが重要です。

 それでも足らない場合は、お金と時間を使って運動しましょう。

 いきなり「とにかく何か始めなければ」とお金と時間を使うことを前提としてものを考えてしまうのは、現代人の悪い癖です。

 最近、筋力信仰とでもいうべきものが世の中にはびこり、
 ことあるごとに「筋力が足らない。筋力アップ!」
と叫ばれますが、これはジム業界主導のプロパガンダです
もちろん、全くの嘘ではありません。
筋力は重要ですが、何でも筋力のせいにしすぎです。
筋力をつけても治らないものは治りません。
もう一つ、最近はなんでもリンパ、リンパとリンパ流行ですが、これも怪しいです。そもそもリンパってなんだか分かって言っているとは思えません。これについてはそのうち書きたいと思います)

 さて、80、90になっても元気に歩いている人がいますが、絶対的な「筋力」が強い訳ではありません。

 どんなに運動していないといっても、80代のおばあちゃんより30代の男性サラリーマンの方が上であることは明白でしょう。

 運動だってよほどしているでしょう。でも、80のおばあちゃんより元気のない30代男性サラリーマンなんて山ほどいます。
 
 それに、元気なお年寄りで「筋力トレーニングをしているから、かろうじて健康を保っている。歩くことが出来る」という人は殆どいません。

 彼らが健康を保てているのは、筋肉の柔軟性が高く、何より筋力の「バランスが取れている」からです。

 これは特定の部位を繰り返し鍛えるような動きでは獲得できません。
 人間に本来備わっている「歩く」「日常の動作をきちんとする」ということ、なかでもとりわけ「歩く」ことで備わっていきます。

 元気なお年寄りで、ジムに行って鍛えている人もあまり居ない代わりに、家で一日中ごろごろお菓子を食べながらテレビやスマホばかり見ている人も居ません。

 一日ごろごろしたり、なるべく楽をして生活し、しょっちゅうパソコンやスマホをいじるような生活をしていながら、
「運動不足だ!」
といって特定の時間にお金と時間を使って、特定の部位を鍛えるように運動すると、アンバランスを生み、不健康になります。

 何気ない動作を細かく行うということを大切にして下さい。
歩行は足の筋肉しか使わないと思っている人も居ますが、後頭部の筋肉まで豊かに動く全身運動です。
 歩くことにまで、一万歩が良い、いうや一万歩じゃ早死にする等など様々な情報が飛び交いますが、これだけ情報があるということは

要するによく分からない

ということです。正解がないので、いろいろな人がいろいろな意見を
「俺のが正解だ!」
と言い張れる訳です。

入試の算数のような(大学で研究する数学ではなく、あくまでも算数です)
「正解」
は永久に出されないでしょうから、この騒動は人間がこんな感じである限り、ずっと続くでしょう。
これは食生活にも同じことが言えます。正解がないのを良いことに、目立ちたいだけで「正解らしいこと」を言っている人が多すぎます。
魚と、ご飯と、味噌汁を食べていれば基本的に何にも問題ないはずで、そういう意味では大昔にほぼ正解と言える解答がでているにも関わらず、お金がらみなのか、目立ちたいのか、とにかく難しくこねくり回すことが多すぎると思います。

ひとそれぞれ、全く違います。体格、環境。
私は毎日多くの方の体を触りますが、恐ろしいほど違います。

誰にでも当てはまる正解などあり得ません。
同じ人間でも個人で肉体が全然異なるのに、ネズミで得られたデータが正確ははずはありません

歩数、歩行時間にあまり捕らわれず、自分の感覚を頼りに細く、長く、こまめに、適当に歩いて下さい。
自分の感覚に自信のない人、自分の感覚を磨きたい人は瞑想をすればいいと思います。

 歩くだけではどうにも退屈だ、という人は
 水泳
がいいと思います。
 あとは、日本舞踊のようなゆったりとして全身を使う踊り。

 踊りは大人になってまさかブレイクダンスをやろういう人もいないと思いますが、あそこまで激しかったり、特定な部位を使うのはお勧めしませんが、自分の体力にあっていれば、多少激しくても構わないと思います。
 踊りに近いですが、太極拳、気功なども強くお勧めします。

 健康を維持するには心肺機能を高めるべきで、そのためには心拍数を毎分○回以上に維持したまま○分間運動すべし。これを週3回。

 などとよく言われますが、有酸素運動をほとんどしないで、
 太極拳や日本舞踊などゆったりとした運動を行っているだけで十分な健康と長寿を達成する人は多いです。
 
 何でも数値化してみようという試みはいいですが、数値化なんて単純化はそもそもできないという謙虚な姿勢が重要だと思いますし、そんな単純な数字をすぐ鵜呑みにしては行けません。 

10年も経てばその基準は「過去のもの」として葬られるでしょう。

 人間の体はそのままで「常識」がすぐ変わってしまうのです。こんな常識は気にする必要はありません。
 それにあくまでも「常識」であって「普遍」「真理」ではありません。
 私はタバコを吸いませんし、確かに体に悪いんだろうと思いますが、
 90くらいでも惚けずに元気でスタスタ歩いて、美味そうにタバコを吸っている人も結構居ます。 
 このくらいの年で、毎日唐揚げやトンカツ食べて生き生きしている人も居ます。

こういう事実を目の当たりにすると、何とも言えませんよね。

諸説唱えている医者は
「例外」「個人の資質」
と言って見てみないふりをしてしまいますが、まだまだ分からないことが多そうです。

 健康不健康の最後の境目はやはり
「精神をいかに前向き、柔軟に保つか」
 であって、運動や食生活は重要ではあるものの、健康に対して我々が今考えているほどの「決定的」な影響はないんじゃないか、というのが私の最近の見解です。

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