日々の施術31 全身倦怠感
20代 女性
症状
昨年秋頃から気力が低下。
何もする気が起きなくなる。
これを機に仕事を辞めて、家で休んでいたらよくなるかと、仕事を辞めるが改善せず。
家にいると余計に塞ぐような感じになり、症状は更に悪化。
昼間ボーッとしており、ずっとベッドの上にいるが、夜になると比較的元気。
しかし朝起きられず、昼間は元気がないのでバイトも夕方以降のものを少しするに止まる。
医者に行っても原因は不明だが、とにかく寝られないのはよくない、と言われて睡眠導入剤を飲み始める。
発症から半年経った現在も症状は改善せず、ひたすら怠い。
施術と見立て
1、骨盤縦ずれ
まず体をチェックすると、典型的な骨盤縦ずれ症状だった。
これに関しては当ブログに多数の症例を載せているので是非他もご覧頂きたい。
この症状になると、慢性疲労症候群のようになり、とにかく怠く、寝ていたくなる。
しかし、西洋医学的には全く引っかかるところはないので、
補中益気湯などの漢方薬を処方されたり、
自分でもサプリやドリンク剤を色々試してみるが大きな効果はない。
気力が足らないのだろうと自己啓発や、習い事などしても続かない。
運動不足、体力不足、筋力不足か?
と思ってジムに行ったり、ヨガやティラピスをやっても効果はほぼない。
今回は、この症状(骨盤縦ズレ)が引き起こされた原因として負のエネルギーも強く感じられたので、
負のエネルギー除去と、
手技による骨盤調整で改善。
患者さんも「凄くスッキリした」とその場で効果を実感、喜んで帰る。
2、トラウマの除去
大体はこれで数回施術をしていけば安定していくのだが、そうはならなかった。
次に来た時に様子を聞くと、
「前と比較すると、ずっといいが、それでも昼間は寝ていたい。
治った、とまでは言えない」
との評価。
客観的な見立てでは骨盤も揃ったままであるし、
それに伴い、肩や首の凝りも殆どない。
しかし、患者さんの主観的評価では
「まだ不調」
なわけで、他に原因があるだろうと思ったが、この回は肉体的な調整をもう一度してみた。
次の回では
「さらに良くなった気がするが、
基本的にはまだ寝ていたい」
というので、
睡眠導入剤の断薬を進めるとともに、トラウマの施術をした。
(睡眠導入剤断薬についてはまた機会を改めて話をしたいと思う)
トラウマの除去をする施術は、
シアトル在住のジャーナリスト、
エリコ・ロウ氏に習ったり、被験者になった体験から、
自分の施術に合うように工夫したものである。
これも詳細は割愛するが、言葉とイメージを用いてトラウマを解消していくテクニックである。
肉体的な反応を見ながら何がトラウマなのかチェックしてみると、
以前の会社でしていた営業職での
プレッシャーであろうと判断した。
ヒプノセラピーなど、一般のトラウマ解消方法では、問診のみだが、
当院は施術所であるため、肉体の反応を見ながらチェックを進めていくのが特徴である。
主なチェックポイントは
1、胸鎖乳突筋の張り
2、後頭下筋群の張り
3、横隔膜の張り
4、股関節の可動域
である。
1、2は特に反応が出やすく、仰臥位で簡単にチェックできるので多用している。
この日も、一度全身への調整で緩んだ筋肉が、以前の仕事でのストレス、
とりわけ、クレームを付けてきた顧客の家へ上司と共に行ったシーンを思い出したところで
元の状態以上にピンピンに張ってしまった。
相当なストレスである。
この記憶を和らげる作業を行ったところ、症状は見事に改善、
昼間も起きて元気に動けるようになった、と喜びの連絡を頂いた。
体調が上向くと同時に睡眠導入剤も問題なく減らすことができ、
今では全く飲んでいない。
骨盤縦ずれと、トラウマという難しい症状に、睡眠導入剤が絡んだ難しいケースだったが、
患者さんが若かったのと、発症から間がなかったことで治りが早かった。
このような状態のまま何十年も過ごしてしまい、相当こじれてしまっている人も世の中にはいくらでもいる。
西洋医学ではこのような状態になるとお手上げである。
苦しんでいる人は、当院でなくても構わないので、通えそうな範囲の
代替医療の門を試しに叩いてみることをお勧めする。