10月施術を振り返って 尾骨特集

うっかりしていたら、11月の施術を振り返ってもいい頃になってしまいました…

今月も多くの新患がお見えでしたが、HPをご覧になって連絡を頂いた方が多かったのが印象に残っています。

HPが非常に簡素ですし、施術内容も読んでも分かりにくい特殊なものですので、これだけを見てご連絡を頂くというのはかなり勇気が必要かだと私も客観的に理解しております。

もっと分かりやすく、と言われるのですが、とにかく受けてみて頂かないと分からない施術なので、、文字情報は限界かなと思っています。

やっているのも看板無しの自宅です(税金対策とよく言われますが(笑)、税理士の指導のもと払ってます)。

そんなハードルの高い中ご連絡頂いた初見の方の期待に応えられるよう日々努力しています。


そんな中、今月のピックアップは尾骨です。

今月は尾骨症状の重症者も多く、尾骨症状を取りまくりました。

全ての人が「こんな所で症状が改善するとは夢にも思わなかった」

と仰る上に、場所も今ひとつ分からない様なので、症例と共に取り上げます。


この部位は一般に尾てい骨とも呼ばれ、背骨の一番下にある文字通りの人間のしっぽです。

背骨を下へ撫でていくと、最終的に骨が感じられなくなりますが、この一番下の部分にあたります。

おしりの真上、臀溝(デンコウ=一般的に言うおしりの割れ目です)の始まる部分です。

ご自分で上から触っていけばすぐに分かります。

図にあるように上の仙骨のカーブの延長の形状をして終わるのが正常なのですが、

正面から見た図で分かるように、かなり細いのでぶつけると容易に曲がってしまいます。



しかも悪いことに、おしりの上ですから、尻餅をついたときに打ちやすいのもここになります。

しりもちをつくことなど、生涯に多々ありますので、多くの方が多かれ少なかれ曲がっています。

曲がっていても問題の出ない方も居られますが、全身に悪影響を出す場合も多々あります。

直角以上曲がり、先端が頭の方に向いている場合もいますが、直角を越えると大体かなりの全身症状が出ます。

代表的な症状は

鬱的症

頭痛(様々なタイプを引き起こすが、部分的にはこめかみ部分を中心とする。症状としては、重く後方に引っ張られるような感じが出ることが多い)

倦怠感

肩凝り

です。

私は見つけると症状を取ってしまいますが、

症状の取り方は

仙骨の部分を手のひらで、数分押さえているだけです。

尾骨の先に指を当て、元の形に力ずくで変える、という施術も行われているようですが、私は絶対に行いません。

形状回復に失敗すると逆に大変な症状を引き起こすからです(一つ前の記事をご参照下さい)。

優しい施術なので、安定までに2~3回の施術を要しますが、安全に改善できます。

ところで、症例ですが、最も重かったのは以下になります。
(情報に狂いが出ない範囲でプライバシーに配慮した表現にしております)

15年ほど前に右手が突然痺れ始めた。

段々広がり、頭痛、足の痛みにまで発展。もちろん医師の診断を受けるが全く原因不明。

CT。MRIまで受けても分からず、原因不明の難病かと思い、遺書を書くまで追い詰められる。

数ヶ月で徐々に収まり、右手の軽い痺れを残して改善。日常生活に支障がないので、そのまま10年ほど生活。
症状は良くも悪くもならないまま推移。

3ヶ月ほど前から手の痺れ、頭痛が強くなってきて、対策を考えるが、どれも決め手にかけるので紹介で来院。

発症時に全ての手は打ち尽くしていたので、全く違うアプローチをお考えになったようです。

施術を開始しました。

骨盤の施術などを一通り行いましたが、その課程で強い尾骨の曲がりを発見。

これを取っているうちに瞬間的に熟睡してしまいました。

体の非常に悪い部分を解除している時、患者様が瞬間的に気絶するように寝てしまうことはしょっちゅうです。

足の指や、手首、更には指などのパーツ的な部分でも、そこが諸悪の根源に近い部分であり、本当にリリース(解放)が起こると気絶します。

これはもちろん、痛いからとかではなく、究極的にリラックスするので、まるで気絶するように寝てしまうということを表しています。

指の先を私に触られたまま鼾をかいて熟睡してしまうというような、不思議な光景も私の施術室でもしょっちゅう見られます。

尾骨で熟睡を始めたので

「これはかなり当り(本当に悪い部分を当てたという意味)だな」

と思ってはいたのですが、これが終わった瞬間に、手の痺れ、頭痛が取れていたのには、ご本人はもちろん、尾骨施術の重要性をこうして訴えている私も驚きました。

骨盤、首、第一肋骨など、その他頭痛や手の痺れを起こしそうな部位を一通り施術、その後念のため尾骨を始め各部位の更なる改善を目指し、

一週間ほど空けて計3回施術しましたが、後で振り返ってみると結局一番始めの尾骨の施術で8割終わっていたという感じでした。

それほど劇的に改善しました。

これはかなり極端な例だとはいえますが、尾骨の改善が重要であることを表す象徴的な例として取り上げてみました。

もちろん、MRIはもちろん、CTを取るまでもなく、レントゲンの時点で尾骨の曲がりは明確に見て取れたでしょうが、西洋医学では尾骨が曲がると不調になるという概念がないので、全く考慮されなかったのでしょう。

尾骨は内臓を支えている

「骨盤底筋群」

が付着する部分で、ここの歪みは骨盤邸筋群に余計な影響を与え、これが骨盤の歪み、内臓の不調となり、全身がだるくなります。

また、脳を覆い、脊髄を通って1枚の膜となっている硬膜が最終的に付着して行く部分なので、尾骨が曲がるとなんと、脳の硬膜が引っ張られた状態になって歪みが生じ、神経的な症状が多数出ます。

いずれもネットで拾った画像で恐縮ですが、脳のこんな画像はご覧になったことがあるでしょう。


頭蓋骨の下にあり、脳を覆っているのが硬膜です。
図は首から下が無く終わっていますが、硬膜と脊髄は頭蓋骨や首で終わらず、ずーっと下まで繋がっています。

穴も切れ目もなしです。

こんなイメージ。背骨の後ろにある穴を通って下に伸びています。


脳というと我々は一般に球体を思い浮かべますが、実際は下の図の左の様な形状で切れ目がありません。

首から上、首から下、更に首から上のなかで小脳大脳と人間が見た目と都合で分けて考えて居るだけで、人間の体に諸指令を出しているのは、このエノキダケみたいなもの全体です。


こう考えると、
脳は球体ではなく、エノキダケのような形状で、その下端は腰の部分まで伸びているという捉え方もできるでしょう(むしろ、そう捉えた方がよい)

下は硬膜注射のイメージ図から拾ったので、注射の図は無視して見て頂くと、脳からまるでしっぽのように「切れ目なく」伸びてきた脊髄という「脳の一部分」が背骨の下の方まで伸び、それをここでも硬膜が覆っているのが見て取れます。

更に、脊髄は腰の丈夫で終わってしまっていますが、頭を覆った硬膜は仙骨の中を通り、尾骨にまで及んでいるのが分かります。


これで、尾骨の歪みが硬膜を通して脳まで影響を与える可能性があることをご理解頂けるかと思います。

この歪みは、もちろんミリ単位以下で、西洋医学に尾骨で体調不良が起こるという概念があったとしても、レントゲン、MRIなど目視では捉えきれません。

人間の体は大きな衝撃でも問題なく耐える場合がある一方で、ミリに至らないような歪みで不調をきたすことも多々あります。

不思議なものです。

もちろん、これを以て西洋医学は無力で全て私に任せろ、というようなことを訴えるつもりはありません。

レントゲンや血液検査などは基本的に受けるべきものであると思っていますし、私も不調の場合はそうすることが多いです。患者さんにも体の痛みのファーストチョイスは整形外科での診断をお勧めしています。

しかし、西洋医学の概念で全てカバーできるわけではないという事実が存在するので、それを知って頂きたいと思って書いています。

概念がないというのは恐ろしいものです。
逆に冷静に考えれば私にも概念すら持てていない症状がまだまだある、このことを他山の石としなければならないとも考えて居ます。

ともあれ、興味を持たれた方は、試してみて頂ければと思います。
劇的な変化がもたらされるかもしれません。

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