リウマチ等で拘縮した関節の改善2

前回からの続きです。

「1」で書いたように、関節拘縮改善テクニックを色々やり始めたころでした。

丁度その頃、大変重症な患者様がお見えになりました。

年齢70代。数年前に婦人科疾患系のがんが見つり、抗がん剤治療を開始。

抗がん剤治療が進むにつれ、腰痛肩こりがとてもひどくなってきた。

全く自力で歩けないほどの痛みになってしまった。

同じ頃、手がかじかんだようになり、全くグーが握れない。

直径15センチくらいのパイプ、又はドアノブをつかむくらいの状態以上には手がまがっていかないので、

上手く物を掴むことが出来なくなってしまった。

特に朝がひどい。


抗がん剤の治療を始めてからの症状ということで、病院では抗がん剤の副作用を

疑い、西洋医学的な処置を施し、

腰痛にはブロック注射

手の強ばりには、関節へのヒアルロン系の注射、マッサージなど

で対応しました。

実際、抗がん剤の副作用としてはこれらの症状はポピュラーではなく、原因は不明とされましたが、

なにしろ抗がん剤は健康な細胞も全て攻撃するので、広範な全身副作用が起きますので、

これら症状も、一般的ではないものの、発生タイミングなどを考え、副作用の一種だと捉えて

改善治療が行われたようです。


それから暫く経ち、症状は落ち着いたのですが、やはり生活が苦しい。

体の痛みは痛みで、専門家に診てもらった方がいいのではないか、ということで私の所にいらっしゃいました。

もちろん私は、癌そのものの治療はできませんので、整体師の観点で、体の歪みをチェックしました。

まず、腰ですが、仙骨の強力な歪みがありましたので、これを改善した結果、

椅子に五分以上座れない

朝、立ち上がれない

杖をつかないと、平坦な道を歩くのも難しい

という症状は改善されました

もちろん、スタスタ歩くまでは行っていませんが、

普通の日常動作がゆっくりではありますが、痛み無くできるということで、大変喜んで頂きました。

千葉から2時間近い通院時間ですが、自力でも通えるということで、一人で通って来られることになりました。

腰痛に関しましては、いくら抗がん剤が強力な薬だといっても、

ここまで仙骨や、腰の骨がずれることは考えられませんので、暫く寝たきりになったり、

自分の筋力が足らない状態で、ひねるようにベッドから起きたりしていることを重ねているうちに、
ずれてしまったのだと私は推測します。

ブロック注射では対処療法的に痛みを消すことは出来ますが、根本原因は治せませんので、効果は一時的です。

次に、腰が大体一段落つきましたので、優先順位がやや低かった手の強ばりに移行しました。

これは、リウマチの後遺症とほぼ同じ状態でしたので「1」で書いたようなリウマチへの改善施術と同じ物を両手に丁寧に施しました。

結果、1回の施術ですが、右手は中指を除いて、全ての指が手のひらにつき、

左手は人差し指を除いてつきました。

完全にグーの状態で、さらに力を込めることはまだ難しいのですが、

湯飲みをもったり、リンゴを剥いたりという、

簡単な家事を自分で出来るようになったと喜んでいただきました。

この状態になった原因は、私なりには長期入院中に、あまり動かさなかった為ではないかと思いますが、原因は不明です。

もちろん、病院で膠原病、リウマチ、関節炎等々同様の症状を引き起こすものの、あらゆるチェックをしたということなので、いわゆる「病気」で引き起こされたものではありません。

お年寄りの場合、ほんの数日動かさないだけで関節が硬くなってしまうことはよくあるので(若者であっても一週間全く固定してしまうと、動きがかなり渋くなり、リハビリが必要です)、これじゃないかと思うのですが、原因はともあれ、とりあえず改善、という結果が出て良かったと思います。

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