マッサージ師 という国家資格があることが殆ど知られていない件について②
さて、何でマッサージが三年も学校に通った有資格者以外できないのか、
ということを書き始めたかというと、
先日、夏休みということもあり、数日で1500キロほど車を運転しました。
腰のサポートグッズなど、かなり気を付けていたのですが、さすがに強い疲労感に襲われ、
走行後、香川県に居た私は、行きつけの温泉に居るマッサージ師の施術を受けようと出かけて行きました。
温泉施設の休憩所の一角でマッサージをしているのをよく見ると思いますが、あれです。
そのマッサージ師は国家資格保有者で、一時間で3000円なのですが、本当に上手くて効果的なのです。
やはり有資格者の施術は一味も二味も違うと思います。
私は整体の仕事を始める前、高校の専任教員をしていた頃から、自分自身が施術を受けるのが好きで、マッサージなども方々で受けていました。
私もそのころはマッサージに資格が必要だとは私も全く思っていなかったのですが、
ある日都内の今はなくなってしまったサウナに行った際、マッサージを受けようとフロントに申し込んだところ、
フロントマンがいかにも自慢げに
「うちのマッサージ師は国家資格持ってますから、上手いって評判なんですよ」
と言う。
何のことかいまひとつ分からなかったので
「はあ、はあ、そうですか」
なんて適当な返事をしていたのですが、これが受けてみて驚いた。
「何かリクエストはありますか?」
というので「最近食欲がなくて、疲れ気味だ」というようなことを告げると、しばらく体の前後をさすったり調べていたのですが、
おもろに右手首から肘にかけてを揉み始めました。
ツボに的確に指が入り
「効くな」
という感覚を強く味わいました。
ツボは押すと痛い、ということは知っていましたし、
それまでのマッサージでももちろんツボは押されていたのですが、
ダイレクトに内臓に響き、治療といってもいい感じは初めてでした。
今思えば陽池、手三里、曲池、といったツボのあたりを押していたと思います。
「これがツボを押すということか!!」
と感動したのを今でも覚えています。
そのあとも筋肉の隙間、ツボに的確に指が入り、みるみる私の胃と内臓は活性を取り戻してゆくのを施術中に実感することができたうえに、
施術が終わると猛烈な空腹感に久しぶりに襲われ、胃薬を飲むよりはるかに効果的だと思いました。
マッサージとは、単に気持ち良かったり、すっきりしたり、疲労が回復した感じがするだけのものではなく、治療と言ってもいいレベルの効果が引き出せるものであることをそのとき初めて知り、
それ以来同じ金額を払うなら有資格者に限る、とマッサージを受ける際には極力有資格者を選ぶようにしていますが、逆に、
探し始めると殆どいないことにも気が付きました。
有資格者がマッサージを行う場合、分かりやすい場所に免許証を掲げることになっているのですが、ほとんどのサウナや入浴施設のマッサージ、安価なマッサージで見かけたことはありません。
話がそれましたが、そんないきさつで、有資格者さがしをしている過程で、
香川の山奥の温泉施設で、休憩所の片隅で有資格者が施術しているのを発見したのです。
それ以来、香川でマッサージを受ける際には基本的にそこしか行かなくなりました。
見つけたのはタマタマではあるのですが、
そこもフロントでマッサージを申し込んだら、フロントのおじさんがやや自慢げに
「うちの先生は国家資格持っとるけん、よう効くって評判なんで」
と教えてくれました。
患者さんが「よかったわ~」と言いながら帰っていくことが多いので、気がついたよ卯です。
こうして有資格者がいる場合、自然とフロントの人が自慢げになるのが、全国共通のようです(笑)
その日も、その温泉施設に行ってみたのですが、なんと、定休日が変わっていてマッサージ師がいない。
がっかりしましたが、仕方がないので風呂だけ入って、国道沿いにある、コンビニを居抜きで改造した60分2980円のマッサージに入りました。
まあ、普通に気持ちはよいのですが、治療的効果はなく、きもちいいかな、というだけで終わりでした。
しかもよくあるように、基本的に気持ちよさを分かりやすく演出するために強もみで、
翌日背中が痛くなってしまいました。
「うーん、こりゃだめだ。行くんじゃなかった」
と強い敗北感に打ちひしがれた私は、翌日もう一度温泉施設に有資格者の施術を受けに行ったのでした。
二日連続でマッサージを受けたのは初めてでしたが(基本的には避けた方が無難です)、
それほど初回の施術が納得いかなかったということです。
やっと受けられた有資格者の施術はよかったですね。
やはり。こんなに違うか、と誰もが思うと思います。
見た目は同じように揉んでいるだけですので、大した違いはないのですが、
やはり的確にツボの場所を把握しているし、何より解剖学を一通り勉強しているので、
自分が今どこの筋肉をどう揉んでいるか、
どの骨の上をどう押さえているか、というイメージを持ちながら指を動かしているのが伝わってきます。
数日間の講習受講しかしていない人と、有資格者の行う施術はやっぱり全然違うものです。
見つけるのは結構難しいですが、マッサージが効かない、もっと気持ちよく安全なマッサージを受けたいと思っている人は、資格者を探してもらいたいと思い、この稿を書き始めました。
先に書いたように、マッサージというのは基本的に簡単で誰でもできるものですが、
なかなか奥が深く、症状や、やりようによっては投薬と変わらないくらいの効果を上げることができます。
マッサージは江戸時代には民間医療の一つだったのですが、今の一般的なマッサージでは患者さんを気持ちよくしたり、リラックスさせることはできても、食欲不振を改善したり、倦怠感を上手く除去したり、腕や腰の痛みなどを単に紛らわすだけではなく、根本的に改善したりできると想像するのは難しいでしょう。
でも、有資格者の施術を受けると、江戸時代以前はマッサージ(あんま、指圧)は、病気を治してくれる頼もしい「医療」として存在していたのであろうことを想像することができるようになります。
化学的見地から作られた薬や、科学的な手法の治療が導入されていなかった時代においては、たいそう頼もしかったのは想像に難くありません。
化学、科学の発達した今でも、人の手で行うプリミティブで安全な治療法として十分にその存在価値はあります。
人間の手でできる癒やしは投薬に慣れた現代人が考えるより遙かに絶大なものです。
せっかく資格を作りながら、実態のない資格にしてしまったせいで高レベルな技が埋もれ、淘汰されかかっているのは残念に思います。
マッサージは単純なだけに、誰でもできますし、パッと見誰がやっても同じように見えるのですが、奥は深いです。
料理でいうとチャーハンみたいなものでしょうか。
単純で簡単なものほど、案外実力の差が出やすいものです。
この差を生むのは、先に書いたように、解剖学的な知識と、ツボへの知識と、押す技術でしょう。
ツボへの刺激、というのは案外難しいものなのですが、
ツボへの刺激が難しく奥深いものである、ということについては③でまたお話しすることにします。
注・最後に書き加えておきますが、マッサージには感覚やセンスが必要な面も多分にあり、
無資格でも驚くほど上手い人も結構居ます。
有資格者の技を知ってもらいという思いと
ユーザーは正しいことを知らされ、正確な情報を元に、消費対象を選ぶべきだという考えから、
この稿を書いていますが、無資格マッサージ師を糾弾している訳ではありません。
ここまであまり取り締まらないで来た以上、急に変わる必要もないとも思っています。
資格がなくても立派に仕事をこなし、沢山の方を救っている人も沢山居られますし、
それらの方々も「ずるいことをしよう」「法を犯そう」という明確な意識をもって無資格施術(というと、かなりきつい言い方に聞こえますね)
をしている訳ではないので、誰からの責任を問うとすれば、施術で現在生計を立てている人ではなく、
こういう雰囲気を歴史的に作ってしまった国に問題があるとも言えるでしょう。
私自身が資格を取ったので、無資格者はいなくなればいい、と言っているわけではありません。
ということを書き始めたかというと、
先日、夏休みということもあり、数日で1500キロほど車を運転しました。
腰のサポートグッズなど、かなり気を付けていたのですが、さすがに強い疲労感に襲われ、
走行後、香川県に居た私は、行きつけの温泉に居るマッサージ師の施術を受けようと出かけて行きました。
温泉施設の休憩所の一角でマッサージをしているのをよく見ると思いますが、あれです。
そのマッサージ師は国家資格保有者で、一時間で3000円なのですが、本当に上手くて効果的なのです。
やはり有資格者の施術は一味も二味も違うと思います。
私は整体の仕事を始める前、高校の専任教員をしていた頃から、自分自身が施術を受けるのが好きで、マッサージなども方々で受けていました。
私もそのころはマッサージに資格が必要だとは私も全く思っていなかったのですが、
ある日都内の今はなくなってしまったサウナに行った際、マッサージを受けようとフロントに申し込んだところ、
フロントマンがいかにも自慢げに
「うちのマッサージ師は国家資格持ってますから、上手いって評判なんですよ」
と言う。
何のことかいまひとつ分からなかったので
「はあ、はあ、そうですか」
なんて適当な返事をしていたのですが、これが受けてみて驚いた。
「何かリクエストはありますか?」
というので「最近食欲がなくて、疲れ気味だ」というようなことを告げると、しばらく体の前後をさすったり調べていたのですが、
おもろに右手首から肘にかけてを揉み始めました。
ツボに的確に指が入り
「効くな」
という感覚を強く味わいました。
ツボは押すと痛い、ということは知っていましたし、
それまでのマッサージでももちろんツボは押されていたのですが、
ダイレクトに内臓に響き、治療といってもいい感じは初めてでした。
今思えば陽池、手三里、曲池、といったツボのあたりを押していたと思います。
「これがツボを押すということか!!」
と感動したのを今でも覚えています。
そのあとも筋肉の隙間、ツボに的確に指が入り、みるみる私の胃と内臓は活性を取り戻してゆくのを施術中に実感することができたうえに、
施術が終わると猛烈な空腹感に久しぶりに襲われ、胃薬を飲むよりはるかに効果的だと思いました。
マッサージとは、単に気持ち良かったり、すっきりしたり、疲労が回復した感じがするだけのものではなく、治療と言ってもいいレベルの効果が引き出せるものであることをそのとき初めて知り、
それ以来同じ金額を払うなら有資格者に限る、とマッサージを受ける際には極力有資格者を選ぶようにしていますが、逆に、
探し始めると殆どいないことにも気が付きました。
有資格者がマッサージを行う場合、分かりやすい場所に免許証を掲げることになっているのですが、ほとんどのサウナや入浴施設のマッサージ、安価なマッサージで見かけたことはありません。
話がそれましたが、そんないきさつで、有資格者さがしをしている過程で、
香川の山奥の温泉施設で、休憩所の片隅で有資格者が施術しているのを発見したのです。
それ以来、香川でマッサージを受ける際には基本的にそこしか行かなくなりました。
見つけたのはタマタマではあるのですが、
そこもフロントでマッサージを申し込んだら、フロントのおじさんがやや自慢げに
「うちの先生は国家資格持っとるけん、よう効くって評判なんで」
と教えてくれました。
患者さんが「よかったわ~」と言いながら帰っていくことが多いので、気がついたよ卯です。
こうして有資格者がいる場合、自然とフロントの人が自慢げになるのが、全国共通のようです(笑)
その日も、その温泉施設に行ってみたのですが、なんと、定休日が変わっていてマッサージ師がいない。
がっかりしましたが、仕方がないので風呂だけ入って、国道沿いにある、コンビニを居抜きで改造した60分2980円のマッサージに入りました。
まあ、普通に気持ちはよいのですが、治療的効果はなく、きもちいいかな、というだけで終わりでした。
しかもよくあるように、基本的に気持ちよさを分かりやすく演出するために強もみで、
翌日背中が痛くなってしまいました。
「うーん、こりゃだめだ。行くんじゃなかった」
と強い敗北感に打ちひしがれた私は、翌日もう一度温泉施設に有資格者の施術を受けに行ったのでした。
二日連続でマッサージを受けたのは初めてでしたが(基本的には避けた方が無難です)、
それほど初回の施術が納得いかなかったということです。
やっと受けられた有資格者の施術はよかったですね。
やはり。こんなに違うか、と誰もが思うと思います。
見た目は同じように揉んでいるだけですので、大した違いはないのですが、
やはり的確にツボの場所を把握しているし、何より解剖学を一通り勉強しているので、
自分が今どこの筋肉をどう揉んでいるか、
どの骨の上をどう押さえているか、というイメージを持ちながら指を動かしているのが伝わってきます。
数日間の講習受講しかしていない人と、有資格者の行う施術はやっぱり全然違うものです。
見つけるのは結構難しいですが、マッサージが効かない、もっと気持ちよく安全なマッサージを受けたいと思っている人は、資格者を探してもらいたいと思い、この稿を書き始めました。
先に書いたように、マッサージというのは基本的に簡単で誰でもできるものですが、
なかなか奥が深く、症状や、やりようによっては投薬と変わらないくらいの効果を上げることができます。
マッサージは江戸時代には民間医療の一つだったのですが、今の一般的なマッサージでは患者さんを気持ちよくしたり、リラックスさせることはできても、食欲不振を改善したり、倦怠感を上手く除去したり、腕や腰の痛みなどを単に紛らわすだけではなく、根本的に改善したりできると想像するのは難しいでしょう。
でも、有資格者の施術を受けると、江戸時代以前はマッサージ(あんま、指圧)は、病気を治してくれる頼もしい「医療」として存在していたのであろうことを想像することができるようになります。
化学的見地から作られた薬や、科学的な手法の治療が導入されていなかった時代においては、たいそう頼もしかったのは想像に難くありません。
化学、科学の発達した今でも、人の手で行うプリミティブで安全な治療法として十分にその存在価値はあります。
人間の手でできる癒やしは投薬に慣れた現代人が考えるより遙かに絶大なものです。
せっかく資格を作りながら、実態のない資格にしてしまったせいで高レベルな技が埋もれ、淘汰されかかっているのは残念に思います。
マッサージは単純なだけに、誰でもできますし、パッと見誰がやっても同じように見えるのですが、奥は深いです。
料理でいうとチャーハンみたいなものでしょうか。
単純で簡単なものほど、案外実力の差が出やすいものです。
この差を生むのは、先に書いたように、解剖学的な知識と、ツボへの知識と、押す技術でしょう。
ツボへの刺激、というのは案外難しいものなのですが、
ツボへの刺激が難しく奥深いものである、ということについては③でまたお話しすることにします。
注・最後に書き加えておきますが、マッサージには感覚やセンスが必要な面も多分にあり、
無資格でも驚くほど上手い人も結構居ます。
有資格者の技を知ってもらいという思いと
ユーザーは正しいことを知らされ、正確な情報を元に、消費対象を選ぶべきだという考えから、
この稿を書いていますが、無資格マッサージ師を糾弾している訳ではありません。
ここまであまり取り締まらないで来た以上、急に変わる必要もないとも思っています。
資格がなくても立派に仕事をこなし、沢山の方を救っている人も沢山居られますし、
それらの方々も「ずるいことをしよう」「法を犯そう」という明確な意識をもって無資格施術(というと、かなりきつい言い方に聞こえますね)
をしている訳ではないので、誰からの責任を問うとすれば、施術で現在生計を立てている人ではなく、
こういう雰囲気を歴史的に作ってしまった国に問題があるとも言えるでしょう。
私自身が資格を取ったので、無資格者はいなくなればいい、と言っているわけではありません。