日々の施術4 顔面神経麻痺

☆顔面神経麻痺


☆女性・会社経営


この症状は、もう8年も前、病院でこれ以上治ることはない、と言われた方を数回でほぼ元通りにし、施術家として、自信を持つと同時に、喜んで貰えるのはいいなぁとしみじみ感じた思い出深い疾患。

この方は4月初旬に発症。4回立て続けに施術したが、五月後半休業していたので申し訳ないが、久しぶりの施術となってしまった。

☆施術


この疾患で一般的には完全に見逃される骨盤の調整は安定状態に入っているので、あとは頸椎、頭蓋、そしてエネルギー施術。

エネルギーも邪気はもうあまりないので、頸椎と頭蓋で詰めて行く。

現状で日常生活には支障はなく、かなり早い回復だが、以前当院にかかっていた(二年ぶり)こともあり、顔面神経麻痺を発症してすぐに駆け込んでくれたのが功を奏していると思う。

骨盤からの調整も元患者さんだけあって、何の違和感もなく受け入れてくれたが、この「急がば回れ」的な施術が、西洋医学にどっぷり浸かってしまった人には受け入れて貰えないことがあり、残念。

症状が出ているところが、必ずしも悪いところではないのだが。

以前、私の家族も発症したことがあり、発症させて申し訳ないなぁと、せっせと施術して、一週間で普通に生活できるようになった。

これで基本的には問題ないのだが、笑ったりすると顔が突っ張る感じがしたり、やや顔が引きつった感じになるのが完全に取れるまでは一年くらいかかった。

なかなかしつこい病気だが、日常生活が支障なく送れるようになるまで、3ヶ月~半年かかってしまうケースもざらで、発症させないのが1番のポイントになる。

発症する人は、大体は体の頑丈さより、精神のタフさが勝っている人で、多少の痛みや不調は「気のせい」と捉えて、ガンガン動いて、仕事をして追い込んで行く人が多い。

普通の人にはとても出来ないくらいまで追い込む人が多く、これまで診てきたなかではスポーツ選手、舞台俳優、芸能人、繁盛している飲食店店主や、社長に多い。

これは、根性もあるのだろうが、生まれつきの性質も大きい。

本人は「努力している」「普通の人の倍働いている」という自覚もあまりなく、やりたいからやっているのである。

しんどいは、しんどいのだけれど、社長業などやりたくもない、という人が頑張ってやっているようなしんどさはない。

自分の心が生まれ持っているベクトルの方向に素直に努力している人が多い。

人それぞれなのである。

こういう仕事をしていると、本当に人間は、ひとそれぞれで、こういう考えが戦後教育で喧伝されて久しいが、それでもまだ、最終目標の3割にも達していないということが分かる。

性格や、性的嗜好の個性はかなり認められたが、肉体的な個性は顧みられることが未だに少ない。

その何よりの証拠に、ダイエット法、トレーニング法などが次々出てくる。

次々出てくるということは、これまでのものが大して良くなった、とも言える。
当たり前である。

10人いれば10人肉体の調子が違うので、皆が満足するトレーニング法などないのである。
一時的にマスコミの影響などで参加人口が爆発的に増えても、あっという間に萎んでしまう。

これの繰り替えしがなくならないのは、参加人口が増えると、その中に効果に対して不満を持つ人が増えるからに他ならない。

ダイエット法や、栄養学なども全く同じで、各人が自分の体の調子をもっと見極めることをしないで「誰かが何か新しい説を唱えてくれないか」とそんなことばかり気にして、こっちの人がこういうと飛びつき、あっちの人が、新しい説を出すと飛びつき、とやっている限り永遠にこれが繰り返される。

万人に共通する栄養学や食事法、トレーニング法なんか実はどこにもないのだ、ということを早く皆が明きらめて、諦める必要がある。

プロ体操選手が教える体のメンテナンス法なんていうと「体のプロだから間違いない!」と思いがちだが、ハードなプロスポーツで成功する様な人は、体に関しては異星人だと思って差し支えない。

普通の子だったけど、努力した結果なんです、と言われるかもしれないが、努力するにも基本的な素質がないと難しいのだ。

異星人のアドバイスや成功談を聞いても仕方が無いのである。

閑話休題

普通の人が最高速が100キロの車で、しかも3時間くらいぶっ飛ばすと暫く休憩させないといけないとしたら、顔面神経麻痺を発症する人は、200キロで半日走れて、しかも10分も休憩するとまた200キロ出せてしまうような感じだ。

そのくらい、基本性能が違う。

しつこい様だが、

基本性能がいい=役に立つ

のではない。

軽自動車だって、軽自動車じゃなきゃできないこと、軽自動車ならでは便利さがある。

適材適所だ。

さて、普通の人が事故起こしても、100キロ以下だし、休憩時間に医者に行ったり、色々ケアをするから大事には至らないことが多いが、後者は一度事故を起こすとすっ飛んでしまう。

事故=大事故なんである。

もちろん、これは100%当てはまらないが、大きな線で当たっていると思う。

ところで、

大きな災害の前には必ず何らかの予兆があるというが、顔面神経麻痺レベルの病気になると、もちろん予兆がある。

腰痛類と、肩こり、首凝りがその主なものだろう。

顔面神経だけがピンポイントで悪くなるのではなく、やはり基本的には腰回りにガタが来て、これが首の変形、凝りに繋がる。この状態が顔面神経麻痺を始めとした、あらゆる疾
患の「予備状態」である。

多くの人は腰痛、肩こりが激しくなると「痛い!」「辛い!」と仕事も手につかず、病院や整体院に行ったり、関連書物を読んで様々な体操に手を出したりするが、多くの人が「辛い」「痛い」というレベルが、顔面神経麻痺を起こす人にとっては「辛いけど、そんなでもない」のであって、自分のやりたいこと、目標、興味の方が少々の痛みよりも遙かに勝ってしまうのである。

だから、こういう人は、物事をきちんと成し遂げて、組織の上に立つことも多い。

本当に人の倍働けるから。

施術をしていて、こういう人に当たると、本当に滅茶苦茶にズレているにも関わらず、それでも「痛いんだよ~」「たまらないよ~」と言いながらもそれなりに働いていることが多い。

自分の骨盤があんなにズレたら、自分は即死するレベルなんだが(笑)、こんなズレてても動けるのか!と本当に驚く。気力が完全に勝っているのである。

これは、実際に人の体を触る職業をしている人間じゃないと分からないだろう。

気力と体(肉体)のバランスって本当に大事。

どっちかが突出していても、健康にはなれない。

ズレ、痛みは予兆どころではなく、普通の人なら寝込むレベルなんだが、これを予兆と感じないのだ。

大声で毎日「休まないと危ないですよ!」と耳元で怒鳴られているのと同じなのだが、まさに馬耳東風。

何によらず「予兆を捉える」というのは重要なことなんだけれど、大体の場合、予兆を予兆と思わない。思えない。人間難しいよね。

この患者さんも前回(二年前)は腰痛が大分酷かった。

普通の人だと寝込むレベルが、ぱっと見は分からない。ベッドに横たわると「いたたた~」と苦しんでいるが、とりあえず、玄関までは普通な感じで歩いて来るのである。

イリュージョン。

それでも余程こたえたらしく、5回せっせと通ってきてくれて「これから月一でメンテナンスします。

メンテナンスの大切さがわかりました」としみじみ言って、ちゃんと二月くらい来てくれたが、案の定その後二年来なかった。

まあこれは仕方ない。

やはり前ほどではないけれど、二年の間に色々貯まっていた。

顔面神経麻痺は未だに発症の原因は今ひとつ分かっていないが、ズレなどによる頸椎付近の筋肉の硬化に、ストレスが加わってなるのは間違いないと思う。

同じような機序の疾患に顎関節症があるが、こちらはパワフルなタイプじゃなく、繊細な、割と体力がない人がなる傾向があるかもしれない。

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