日々の施術7 足底筋膜炎
☆50代女性・対面施術
☆症状
左足が足底筋膜炎になって、3年。非常に不愉快な思いをしている。
これは、足の裏がパンパンに張って痛みが出る症状。
なにしろ足の裏なので全く目立たないから、もちろん見た目はなんともないので、なったことのない人にはなかなかイメージしにくい。
命に別状はないし、歩けなくなるほど痛くなることも少ないので、日常生活は普通におくれる。
ぎっくり腰みたいに決定的に困る疾患でもないが、四六時中不愉快極まりない、地味だけどかかってしまった人にはかなり深刻な病気である。
☆施術
この症状は何例もやってきた。15人くらいだろうか。
1回しかお越しにならず、経過が分からない人が1名いるが、それ以外は特に問題なく、2~3回で完治している。
とりあえず普通に過ごせるようになるだけなら1回でいいと思うが、残った違和感を取ったり、再発を防ぐ為には何回か受けておいた方がいい。
もちろん狙うのは骨盤で、足底そのものに何かがあるわけではない。
足底の筋肉を狙って抗炎症剤を塗ったり、ステロイドを注射したりするのは対処療法もいいところで、一時的には何とかなるが、骨盤の歪みという「震源地」がそのままなので大体の場合再発するか、何年にも渡って治療し続けていかなければならない。
骨盤の歪みを取れば、大体たちどころに取れるのだが、現在の西洋医学には骨盤のズレを矯正するという概念が皆無で、鍼灸師や柔道整復師、さらには免許が不要なその他整体師の独壇場になっているところに日本の悲劇がある。
折角税金集めて保険料を使って治療するなら、もっと簡単で確実な方法を取り入れればいいのに、と思う。
とにかく何でもかんでも投薬に偏り過ぎで、テクニックを習得して、ちょちょっと触れば済むことも多いのになぁ、と残念に思う。
健康保険の使用料をかなり減らせると思うが、これは構造上、恐らく本気で取り組んではいけない問題なんだろう。
閑話休題
骨盤の他は~これはその他の多くの疾患と結局一緒だが~腰椎の三、四、五番あたりを確実に矯正することが必要。
これで自動的に足底の筋肉は柔らかくなるが、この方のように、数年に及ぶ場合は、ずっと過緊張を保っていた筋肉は、さすがに硬くなってしまい、可塑性が著しく低下してしまう。
これに加齢が加わると、さらによろしくない。
硬くなった筋肉は、指を適切な圧でじっくりと筋繊維に直角に当てるテクニックで取ることができる。揉んだり、ゴリゴリやると痛気持ちよく、一時的には良いように思うが最後まできちんと硬さが取れないので、本当に治したい場合は決して揉んだり、ゴリゴリやったりしてはならない。
今回の患者さんは五〇代とのことで、まだまだ大丈夫。骨盤の矯正に20分、残りの約60分を(今回は放心コース)を硬くなった足底筋膜の軟化に当てたが、ほぼ柔らかさを取り戻した。
これが、70代になると、ちょっと大変で、90分×2回くらいの足底筋膜のリリースが必要になるかもしれない。
しかし、そもそも「筋膜炎」というが、炎症なんて起きていないと思う。
あたかも炎症が起こっているかのように痛みが走るだけで、要するにズレた骨盤を安定させるために変な角度、変な力の入れ方で働かされた足首~足底部が、酷使の末に柔軟性を失い、カチカチになってしまっているだけだと思う。
だからステロイド注射するってどういうこと?と思う。それはバネ指も同じで、バネ指の患者さんは最近また新たにお越しになったので、そのうち書きます。