日々の施術15 ☆謎の顎痛・顎に力が入らない

☆70代・男性・謎の顎痛

☆症状

数ヶ月前から左こめかみから頬にかけて突然腫れる。

痛みもある。

ものを噛むと痛い上に、噛む時に力が入らない。

歯医者に行くが、歯科的な見地からは異常なし。三叉神経付近の不調であると見られる。


特に決定的な治療法はなく、経過観察しているうちに和らいできて、今は以前ほどではなくなっているが違和感はある。

以前はこめかみ~頬の付近を押したら痛かったが、現状押しても痛くはない。

ただ、相変わらず固いものが噛めない。噛むと力が入らない上に、奥歯が欠けてしまうような感じがする。

また、歯がひんやりした感じもある。

顎の動きはスムーズではなく、開きにくく、一定の所で1回引っかかる。

ここから無理に全開にしようとすると、ポキッと音がして一気に開く。

閉じるときもスムーズに閉じないので、引っかかるところで力を入れると、一気に口が閉じてしまい、勢いが良すぎて歯が「カチッ」と音を立て居る。

☆施術


この手の謎の症状も沢山扱ってきた。

苦戦したのもあるが、大体は割と簡単に治っているので、何とかなるだろうと思う。

頸椎の異常が絡んでいるのは100%間違いがないし、頸椎の異常は骨盤や足首の異常から引き起こされているかも知れない。

広範囲に見なければならないが、とりあえず、邪気反応が見られたので、邪気を取ることにより、どれだけ症状が取れるかやってみることにする。

そして、残った症状を手技で取るという作戦だ。

昨年の9月にも、

「右の奥歯は上下が当たるが、左は隙間が空いてしまう。
左では食べ物をすりつぶすことができないので困っている。
さらには、この状態が半年以上続いているので、右でばかり噛んでしまい、右顎がおかしくなってきて、何か別の不調に移行しそうで怖い。
顔も明らかに歪んできて、写真に写るのが怖い。」

という女性を診た。

歯科の手術を勧められたが、何か方法はないかと紹介を受けてお越しになった。

この場合も、邪気の除去一発で8割くらい治った(そのあと3回施術して、現状再発なし)。

それと同じ感じがする。

さて、邪気のチェックにうつる。

邪気は反対側の右側後頭部に蟠っていた。

ここで理論を持ち出して、左がおかしいのに、邪気が右なんて…

と思ってしまうといけない。

顎の不調の邪気はどれか?という設定でヒットしてきた邪気なので、ここは反応を疑わずにトライする。

結構しつこい邪気だったが、除去。

あとは、何故か左の膝にも何かが居たので除去。

これでチェックしてもらったところ、ほぼ、解消していた。

「やっっぱりか…」

患者さんの方は、3分ほど座っていただけなので、一体どういうことなのか、全く理解できないないようだ。

しかし、私も全てを理解しているわけではない。

こういう場合、顎だけが改善するのではなく、肩周りなども非常に軽く、すっきりして本当に「憑き物が落ちた」としか表現しようのない軽快感を味わうことが出来る。

この男性もそうだった。

顎の改善と同じくらい、肩周りが軽くなったことに驚いている。

首から上の不調は大体肩こり、首凝りから引き起こされるので、表に現れた不調は消えたが、肩こりは残っている、というようなことはきちんとした施術と治療が行われたらほぼあり得ない。

投薬は表向きの症状を消すだけだから、狙った症状だけ消える(一時的に)。

こういうことに我々は慣れているので、いろいろな症状が芋ずる式に消えることに驚くが、病状というのは全て本来芋ずる式に繋がっているので、芋ずる式に改善していないということは、まだまだ本当には治っていないということを意味している。

例えば、この様な症状を治しに行った結果、

施術所1 = 

症状は治ったが、肩こり、首凝りはそのまま


施術所2 = 

症状は今ひとつ改善しなかったが、肩、首はスッキリして、体中軽い。体調がよくなった。

このように分かれた場合、どちらの施術所に今後を期待するだろうか。

私なら疑いなく、2である。

もちろん、無茶苦茶苦しい急性症状期なら1だけれど。

1は、何か無理がある証拠で、今はいいけれど、程なく再発するか、他の疾患が起こる可能性が高い。

2は、施術方針が一件ズレているように感じるが、何度か通えば症状は消えるし、他の自分が気付いていなかった疾患や、今回の症状と関係ないと思っていた症状からも解放される可能性が大きい。

と判断するからだ。

☆補足


施術所1の場合
「そもそも肩こり、首凝りはない」ので、取れる必要なんかそもそもないのだ。

と言い切る人がいるが、それは自分の肩こりや首凝りに気付いていない、いや、気付けていないだけで、顎がおかしくなるくらいの症状が出る場合はまず間違いなくパンパンに張っている。

自分の体に無頓着な人、あまりにも長期に渡り肩が凝っていて、これが当たり前だと思っている人は、対処療法を行う施術所1に行って「主訴が治ったので以上終わり」と評価する人がとても多いのは残念な話である。

邪気が取れたり、骨盤がきちんとアジャストされたときの、飛んでしまいそうなくらい体が軽くなる・天から紐で吊されてるんじゃないかと思うくらい背筋が軽く伸びる。

といった感じを味わってみてもらいたいと思う。

さて、この男性は、あと、もちろん腰椎、骨盤、足首、頸椎と一通り残りの80分施術してこの日は終わりとした。

こういう調整をきちんとやっておかないと心許ない。

邪気の除去だけでは片手落ちだと思っている。

今回であらかた改善したので、次は2週間後でいいと思う。(その後メールが来て、快適に食事が出来ているとのこと)

☆追記


こういうのを書いていると、医者で効かなかったのを治した、投薬じゃだめだけど治した、と自慢ばかり書いているように取られるかもしれないが、事実を書いているだけだ。

西洋医学がダメで、自分のやっていることが最高、こっちじゃなきゃダメだ、と言っているわけではない。

西洋医学で様々な症状が治っている人は多い。
その正確性、再現性、普遍性はメジャーな療法としてふさわしいと思う。

しかし、一方でその網に全く引っかからない人もいる。

割合としては少ないのだろうが、絶対数としてはかなり居る。

そういう時でも西洋医学じゃなきゃダメなんだ、それ以外は全部インチキだというのも了見が狭すぎる。

実際にこういう風に治ることがありますよ、と事実を淡々と書いているので、本当に困っている方は参考にして頂きたいと思う。

健康で、特に問題なく暮らしている人にはどうでもいい話だろうが、切実にどうしようもない、どこに行って何しても治らない、と右往左往している人もとても多い。

そういう人を、微力ながら減らしている自負はあるし、もっと世の中に新しい治療や施術への理解が広がって、救われる人が増えればいいと思っている。

何度も書いているが、現場で人の治療に当たっている医師の方が今や柔軟で、様々な療法を自分の治療の為に試している人は多い。

うちにも医師はいろいろ来る。

昔は医師=代替療法嫌いという図式があって、それはある程度当たっていたが、今や、高齢の素人の方が、代替療法嫌いの人の割合が遙かに高く残念に思っている。

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